ふく福柿で「柿の葉寿司」 砺波の出荷組合、高齢組合員の木の葉活用

柿の葉寿司を紹介する組合関係者=砺波市東別所

 砺波市栴檀山(せんだんやま)地区の農家でつくる「ふく福柿出荷組合」は、地元特産ふく福柿の柿の葉で、ミョウガ入りの寿司を包んだ「柿の葉寿司」を商品化した。高齢で維持管理ができなくなった組合員の柿の木10本を活用した。ミョウガや米も地元産で柿の産地の寿司として新た名物を目指す。

 柿の葉は殺菌効果があるといわれ、サバやサケの押し寿司を葉で包んだ「柿の葉寿司」は奈良県の名産として知られる。

 ふく福柿出荷組合は組合員数18人で、年間生産量は7~8トンと最盛期の6割に減っている。高齢で収獲ができなくなった組合員の柿の木を守る方法の一つとして、葉の活用を考えた。

 柿の葉寿司用の木は防除を行わず、梅雨明け後に長さ15~20センチの葉を摘み、塩漬けした。ミョウガ、刻んだニンジンを入れた押し寿司を1~2枚の葉で包んだ。柿の葉とミョウガの香り、酢飯が食欲を促す。

 砺波市東別所の直売所に併設された加工場で組合員が作り、27日から3個450円で販売を始めた。好評ならば、秋にふく福柿とのセット販売を目指す。

 組合長の宮木武司さん(50)は「柿の実を収獲できるのが最善だが、柿の葉寿司で木を守り、後継者の誕生を待ちたい」と話した。

  ●ふく福すいか完売/砺波で直売所開業/大雨で収獲半分

 砺波市のふく福柿出荷組合は27日、同市東別所の直売所で「ふく福すいか」の販売を始めた。今季は12~13日の大雨で畑が浸水した影響で、昨年に比べて半分の約千個の収獲を見込む。

 店頭には「羅王ザ・スウィート」や「ブラックジャック」などが並んだ。夏の旬の味覚として人気が定着し、午前10時の開店と当時に買い物客が訪れ、30分間で20個が完売した。トマトやウリなど夏野菜も人気を集めた。

 8月中旬まで毎日営業する。営業時間は午前10時から午後2時まで。

買い物客の人気を集めたふく福すいか=砺波市東別所

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