レールの下に木が敷いてあるのはなぜ?木が敷いてあるのにレールが沈まないのはどうして?【図解 鉄道の話】

線路の木の板には意味があった!

鉄道を走らせるのに必要不可欠な線路。その線路のレールの下に、木の板が敷かれているのを見たことはありませんか?実はこの板、ちゃんとした役割を担っているのです。この木の板は枕木(まくらぎ)と呼ばれ、レールの下に等間隔で敷かれています。そうすることでレールの幅が一定になり、安定した状態で鉄道を走行させることができます。また、車両はかなり重量があるため、その重さでレールが地面に沈み込んでしまう危険性があります。しかし、枕木を敷いておけば、設置面積が増えて負担を分散させることができるので、レールが沈み込むのも防ぐことにもつながるのです。

枕木はバラストと呼ばれる砂利の上に置かれ、この構造をバラスト軌道といいます。枕木だけでなくこの砂利にも役割があり、枕木が地面に食い込むのを防いだり、走行による騒音を吸収したり、雨が降ったときに水はけをよくしたりします。このバラスト軌道に対してコンクリートでつくられたスラブ軌道というものがあります。コンクリートは耐久性に優れており、ほかの材質より長持ちするというのが長所ですが、水はけはさほどよくなく、騒音も吸収しづらいという短所があります。

線路に枕木と砂利が敷かれたバラスト軌道

バラスト軌道のメリット

・レールの幅を一定にして、乗り心地をよくする
・砂利が走行中の音・衝撃を吸収する
・水はけがよい
・車両の重さが分散され、レールが地面に沈みにくくなる
・低コストでつくることができる

バラスト軌道のデメリット

・強度が低く変形する恐れがある
・メンテナンスに手間がかかる
・自然災害時に壊れやすい

コンクリート板で線路を覆うスラブ軌道

スラブ軌道のメリット

・強度が高い
・メンテナンスが比較的ラクに行える
・自然災害時に壊れる危険性が少ない
・重量が軽いため高架橋にも使いやすい

スラブ軌道のデメリット

・初期コストがかかる
・一度壊れると修理が大変
・騒音・振動が大きい
・水はけが悪い

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』綿貫 渉

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著

通勤・通学、旅行・おでかけ…私たちは普段何気なく電車や駅を利用していますが、なぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多い鉄道の話。本書では、今さら聞けない基本的なしくみから、知るほど面白い鉄道の歴史まで、図解やイラスト付きでわかりやすく解説します。

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