富山県警の勅使川原佑悌(ゆうや)さん(20)と父の尊仁(たかひと)さん(52)は、県警で初めて親子で音楽隊に所属し、警察と県民を結ぶ「音の架け橋」として活躍している。演奏する楽器は共にチューバで、ハーモニーを低音で支える縁の下の力持ちの役割を担う。2人は「互いに技術を高め合いながら、力強い音色を届けたい」と話す。
尊仁さんは警察官になった2年後の1991年に音楽隊に加わり、ずっとチューバを担当してきた。白バイ隊員としてもベテランで、ことしで通算13年目。
佑悌さんは、高校卒業後の2021年に県警に入り、ことし4月に音楽隊員となった。普段は富山中央署の地域課で勤務する。
チューバを始めたのは小学3年生の頃。幼少期から、父がコンサートで演奏する姿を見るうちに憧れを抱いたからだ。音楽隊に入ることも自然と夢になった。
父と共に演奏する中で、実力の差を感じている。「音の大きさや豊かさが段違い。何とか追いつけるよう練習を重ねている」
今月20日に富山駅前であった採用募集コンサートでは、尊仁さんと並んで人気のポップスを奏で、集まった多くの人たちを魅了した。「音楽を通じ、警察を身近な存在と思ってもらえたらうれしい」と言う。
将来は父のように白バイに乗り「交通事故を一件でも減らすため尽力したい」とも語る。尊仁さんは「息子に負けていられない。さまざまな面でお手本になれるよう頑張らなくては」と気を引き締めている。