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暑さの厳しい時季を迎え、熱中症のリスクが高まっている。27日は大分市の60代男性が熱中症で亡くなっていたことが判明し、今季確認された県内の死者は2人となった。救急搬送される人も相次ぎ、65歳以上の高齢者が約7割を占める。県は「適切な空調や水分補給で予防してほしい」と注意を促している。
県警などによると、大分市の無職男性(64)は26日、自宅駐車場の車内で亡くなっていた。翌日になって死因が分かった。由布市の無職女性(87)は11日、自宅の玄関先で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。
県内で最高気温30度以上の真夏日が続いた10~23日の2週間で、186人が病院に運ばれた。65歳以上が125人に上り、18~64歳が48人、17歳以下は13人だった。
27日は36.9度を観測した日田市をはじめ、県内4カ所で35度以上の猛暑日となった。各消防局・本部によると、中津、宇佐両市でいずれも80代男性が重症の熱中症になった。午後9時時点で10市町の計16人が搬送された。
大分市は34.0度を記録した。JR大分駅前で孫と待ち合わせ中だった同市敷戸の藤沢智子さん(78)は「外では水分をしっかり取り、家の中では冷房を切らないようにしている」と話した。
県や環境省によると、高齢者は▽体内の水分が不足しやすい▽暑さを感じにくい▽発汗量が減少する―といった要因で熱中症になりやすい。屋内で体調を崩すケースも多く、節電を意識し過ぎて冷房を適切に使っていない可能性があるという。
県健康づくり支援課は「エアコンの使用だけでなく、通気性のいい服装で過ごすことも有効。危険を感じるほどの暑さの日は外出を控えることも考えてもらいたい」と呼びかけた。
■大分県が572カ所に「一時休憩所」
熱中症予防のため、県は今月から薬局やコンビニ、公民館など県内572カ所(27日時点)に「一時休憩所」を設けている。外出時の水分補給や一休みに利用してもらう目的。エアコンがあり、誰でも座って休むことができる。9月末まで。
青いのぼりやポスターが目印。県のホームページに市町村ごとの設置場所を掲載している。
このうち大分市府内町の府内5番街事務局は、街の情報が載ったパンフレットなどを見ながら休憩できる。同商店街振興組合の田原保志(やすし)事務局長(60)は「広いのでゆっくり休める。気軽に立ち寄ってほしい」と話している。