巨大画、ここがイチ推し 遠藤彰子展、学芸員が解説

黒沢匠主任学芸員(右)が1500号の油彩画「鐘」について説明した「イチ推しトーク」=山形市・山形美術館

 山形市の山形美術館で開かれている「遠藤彰子展 巨大画で挑む生命の叙事詩」の関連イベント「イチ推しトーク」が27日、同館で行われた。同展を担当する黒沢匠主任学芸員が会場からお勧めの作品を選び、制作にまつわるエピソードや遠藤彰子さんが作品に込めた思いなどを語った。

 今回紹介したのは「鐘」「私は来ている 此処に、何度も」「黄昏(こうこん)の笛は鳴る」「揺れる風(卯の花姫)」の4点。黒沢さんは最も大きい1500号(縦333.3センチ、横745.5センチ)の油彩画「鐘」について、遠藤さんが還暦で手がけた作品で、食料の大量廃棄などに関心を持ち、食べることをテーマにしたと紹介。「大きな画面構成だが、細部には個々の人生、小さな物語が描かれている。作品集では見えないので、会場で実物を見て気になるところを見つけるのも面白い」などと話した。

 今後、イチ推しトークは8月3、10、17、24日の各日午前11時から予定している。他の主な関連イベントは次の通り。遠藤さんと東北芸術工科大生のドローイングバトル=8月5日午後1時半▽遠藤さんが希望者の作品を講評する「彰子の部屋」=6日午後1時半▽会話をしながら作品を楽しむ「かたらい鑑賞Day」=8日午前10時~午後1時。

 同展は山形新聞、山形放送の8大事業で、横7メートルを超える大作などで知られる遠藤さんの油彩画や彫刻など約80点を展示している。8月27日まで。

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