新病院「北部医療センター」、整備費が110億円増 建築単価の高騰や医療機器の積み上げで

 【北部】沖縄県立北部病院と北部地区医師会病院が統合し、2028年に開院する公立沖縄北部医療センターの23年度第1回整備協議会(会長・池田竹州副知事)が27日、名護市の北部会館で開かれ、基本設計が了承された。物価高騰などにより、基本設計に基づく新病院の整備費は約389億円となり、基本計画時の約279億円から約110億円(39%)増加する見込みであることが報告された。

 新病院の設置主体である県北部医療組合が6月に完了した基本設計を踏まえ、整備費と収支見通しを報告した。黒字幅は縮小するものの、開院から10年間の経常収支は黒字を見込む。

 整備費の主な増加要因として、物価高騰により建築単価が1平方メートル当たり52.3万円から69.1万円に増加したことや、必要な医療機器を両病院と協議・検討し積み上げたことなどを挙げた。延べ床面積は2.8%増の4万2111平方メートル、病床数450とした。

 基本設計に基づく整備費の内訳は機器備品が77億円(基本計画時49億円)、建物・構築物が291億円(同214億円)、土地・造成が21億円(同16億円)。

 今後の取り組みとして、整備費の低減と財源の確保を進める。財源については県の補助額を上げるほか、新たな国庫補助制度の創設などを国に要請する。

 建物は6階建てで、がんの放射線治療施設や新生児回復期治療室、ヘリポートを設け、救命救急センターの指定を目指す。

 (増田健太)

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