中国人観光客の“復活”に期待 浅草にコンセプトホテル開業へ

インバウンド需要が戻りつつある中、浅草に街の魅力を詰め込んだホテルがオープンします。関係者は、未だ戻っていない中国人観光客の「復活」に期待を寄せています。

外国人観光客が集う浅草寺から徒歩1分の立地にオープンするのが、ホテル大手の星野リゾートが手がける新たなコンセプトのホテルです。浅草寺や東京スカイツリーを各所から望むことができる館内には客室が98室あり、インバウンドも意識した8つのタイプに分かれています。

中でもイチオシの部屋が、浅草の娯楽のシンボル「寄席」がコンセプトで、床に敷き詰められた赤い絨毯や紫の座布団風にデザインされた椅子など寄席のモチーフが各所に取り入れられています。さらに、ホテルでは外国人観光客にも喜ばれるようにと、浅草で親しまれるメニューのほか、独自に調べ上げた周辺のガイドマップも用意されています。

支配人:「国内の方が5割程度、また海外からいらっしゃるお客様が5割程度と見込んでおります。浅草といった土地であることから(予約で)インバウンドのお客様もたくさんいらっしゃっている状況です」

インバウンド需要も戻り、オープン前からすでに予約が相次いでいるというこのホテル。今後の起爆剤として、日本への団体旅行がいまだ解禁されていない中国からの観光客に期待しています。

支配人:「もし中国の方が戻ってきて下さったら、より一層観光の方も盛り上がって来るのではないかなと思っております」

復活が期待される中国インバウンド。浅草の街では…

花月堂 店長:「今コロナ前と比べて日本が円安なので、外国の方とかすごく来てくれてるんですけど、中国の方はちょっと少ないかなという感じがしますね。コロナ前の半分くらいだと思います」

浅草 着物レンタル 大吉 店長:「中国本土からの数もいらっしゃるにはいらっしゃるんですけども、圧倒的に台湾や香港からのお客様が多いという肌感覚です」

団体ツアーが解禁されず、未だ回復が鈍い中国からの観光需要。また日本と中国の間で「ビザ」の取得が必要なこともあり、日本から中国に向かう人もまだ戻っていないようです。

中国と日本の往来にビザが必要となっている影響は、港区の旅行会社にも…

旅行代理店:「ビザも予約制みたいで、結構予約するのが困難で、なかなか気軽にはまだまだ行けないのかなという気はしてます。コロナ前と比較しても日本から中国への往来でまだまだ1/5か1/6くらい」

コロナが流行する前の2019年までは日本と中国は、15日間以内の滞在にはビザが必要ありませんでした。現在はビザを取る必要があるため、こちらの旅行会社では日本から中国への渡航者は2019年と比較して1/5程度にとどまる厳しい状況が続いているそうです。

エアプラス 登山幸典さん:「コロナ前と同じように気軽に安く海外に行ける最後のキーになるのが日本から中国の路線なのかなという気がしてます。早く復活していただきたい」

そんな中、今後の中国インバウンド復活を見越して動き出している企業も…。港区にあるこちらの人材派遣会社では今年中に、中国語ができる接客スタッフ約250人を新たに採用する方針を打ち出しています。

渡辺貢社長:「アパレルあとブランドハイブランドですね、特に家電量販店系の高額商品、様々な分野からすでにオーダーがはいってきております」

社内では7月27日も日本で仕事を探している中国人から採用の問い合わせが相次いでいました。今後、日本を訪れる中国人観光客に対応できる人材の確保に向け、いち早く準備が進んでいます。

渡辺貢社長:「解禁されてから中国人を募集してももう間に合わないです。団体旅行が解禁されればものすごい数の中国の方が押し寄せてくるのはもう確実視されているので、はやく体制を強化していきたいと思います」

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