東証、今年最大一時800円超安 日銀の運用柔軟化決定で

東京証券取引所

 28日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)が大幅反落した。前日終値からの下げ幅は一時800円を超え、今年最大となった。日銀が同日の金融政策決定会合で長期金利の変動許容上限の運用を柔軟化すると決めたことを受け、日銀が市場金利上昇を事実上容認するとの見方が広がった。

 東京外国為替市場の円相場は乱高下し、一時1ドル=138円台前半を付けた。国債市場では、長期金利の指標である新発10年債の利回りが一時0.575%に上昇し、日銀が上限とする0.5%を超えた。

 平均株価は午後1時現在、前日終値比513円30銭安の3万2377円86銭。東証株価指数(TOPIX)は21.49ポイント安の2273.65。

 円高ドル安が企業業績を押し下げるとの懸念から自動車や電機株などに売り注文が膨らんだ。13営業日続伸していた米国株式市場のダウ工業株30種平均が、高値警戒感から前日に反落したことも投資家心理を冷やした。

 日銀が大規模金融緩和策の修正を決めた直後は、平均株価の下げ幅が縮小する場面もあった。

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