中高生が米国へ語学研修 村が費用負担し保育園から英会話教育、和歌山・北山村

6年ぶりに再開された北山村の海外語学研修の出発式で、泉清久教育長(左)から激励を受ける中高生=27日、和歌山県北山村で

 和歌山県の北山村教育委員会は27日、アメリカでの海外語学研修に出発する中高生6人の出発式を同村で開いた。村では保育園から取り組んでいる英語教育の集大成として中学生を対象に2年に1度この研修を開いてきたが、コロナ禍の影響もあって6年ぶり。参加する生徒たちは「現地の方と交流するのが楽しみ」と目を輝かせていた。

 全国唯一の飛び地の村として知られる北山村は人口約400人で、北山中学校の生徒数は現在8人。村では「小さい村だが、子どもたちにいろんな体験をさせ国際的な視野も持たせたい」と保育園から独自に英語教育を実施。学んできた成果を発揮する機会として、2010年度から中学2、3年生を対象に海外語学研修を始め、これまで修学旅行としてアイルランドやシンガポールを訪れたり、アメリカでホームステイをしたりしてきた。

 今回は中学生4人と、コロナ禍の影響で参加できなかった高校生2人が参加。8月13日までロサンゼルス近郊でホームステイをしながら英会話教室で勉強し、ボランティア体験をしたり、大谷翔平選手が所属するエンゼルスの試合観戦やディズニーランドなどを楽しんだりする予定。この研修には基本的に希望者全員が参加でき、費用は全額、村が負担する。

 同村下尾井の村観光センター前で出発式があり、泉清久教育長が「みんなは3歳から英会話を習っており、その成果を十分に発揮し、自分の力がどれぐらい通用するのかも試しながら本場のアメリカを思いっきり楽しんでほしい」と激励した。

 参加者を代表し、北山中3年の榎本遥香さん(15)と下平詩萌さん(14)が「文化の違いを学べたり、言語を学べたり、いろんなことを学べると思う。この貴重な機会に感謝して、楽しい思い出をたくさんつくりましょう」などと決意を述べ、出発した。

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