政策修正、金融市場軒並み大荒れ 株下げ幅は一時800円超

東京都内の株価ボード=28日(ロイター=共同)

 日銀が大規模な金融緩和策の修正を決めた28日の金融市場は、軒並み大荒れとなった。東京株式市場の日経平均株価は一時800円超下落し、下げ幅は今年最大を記録した。円相場は対ドルで急騰し、長期金利も大きく上昇する場面があった。

 日銀は同日午後、長期金利の上限とする「0.5%程度」は維持しながら、1%まで上昇することも容認する方針を打ち出した。市場では金融緩和の「出口」に向けた一歩と捉えた取引が拡大。円は短時間で値幅が3円近く乱高下し、1ドル=138円台前半に振れた。長期金利の指標となる新発10年債の利回りは一時0.575%に上昇し、約8年10カ月ぶりの高水準を付けた。

 平均株価の下げ幅は一時853円まで拡大した。金利の上昇が業績に影響するとの懸念から、不動産株などの売りが加速した。

 平均株価は取引終盤に急速に下げ幅を縮め、終値は前日比131円93銭安の3万2759円23銭だった。大手証券の関係者は「日銀が金融引き締め策に向かうのか、見極めたいとする投資家の姿勢が表れたのではないか」と指摘した。

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