ユベントスvsミランはセットプレーで互いに2発ずつ奪ってのドロー…ユーベがPK戦を制す【国際親善試合】

[写真:Getty Images]

国際親善試合のユベントスvsミランが27日にカリフォルニアのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われ、2-2のドローで90分の戦いが終了。その後に行われたPK戦をユベントスが4-3で制している。

クラブの不正会計による勝ち点はく奪の混乱に見舞われるなど厳しいシーズンを過ごしたユベントス。引き続きアッレグリ監督が指揮を執るものの、心機一転のシーズンに臨む。直近のバルセロナ戦が対戦相手の健康上の問題で急遽中止となったことで、今回のアメリカでのプレシーズンツアー初戦はミランと対戦。この試合ではGKシュチェスニーやダニーロ、ロカテッリ、キエーザら昨季の主力に、新加入ウェアやカンビアーゾといったローンバック組を組み合わせた布陣で臨んだ。

一方、スクデット奪還を目指すミラン。24日にアメリカでのプレシーズンツアー初戦ではレアル・マドリーに2-3で敗れており、この試合ではプレシーズンツアー初勝利を目指した。ピオリ監督はマドリー戦から大幅にスタメンを入れ替え、守護神メニャンやリュカ・エルナンデス、ジルー、レオンなどよりベストなメンバーを起用。新戦力ではラインデルス、ロフタス=チーク、プリシッチが起用された。

試合は立ち上がりからミランがボールを握って主導権を掌握。[4-3-3]の可変式の布陣で内と外でボールを出し入れしながら、ユベントスの[3-5-2]の守備ブロック攻略を図る。ただ、なかなか決定的なシュートチャンスには持ち込めない。

一方、ユベントスは後ろ重心ながらも、両ウイングバックやキエーザとケアンの2トップのスピードを生かしたカウンターでチャンスを窺い、キエーザが何度か際どいシーンを演出する。

その後、カラブリアの負傷交代によってフロレンツィをスクランブル投入したミランだが、セットプレーで先にゴールをこじ開ける。23分、相手陣内中央左で得たFKの場面でキッカーのテオが正確なボールをゴール前に送ると、チャウが打点の高いヘディングシュートを右隅へ流し込んだ。

先制を許したユベントスはここから徐々に前への圧力を強めていく。すると、33分には左CKの波状攻撃からゴール前でガッティが続けて競り勝つ。自身は押し込むことはできなかったが、ダニーロがゴール至近距離からのシュートを突き刺した。

1-1のイーブンに戻った試合はここからより動きがある展開に。それでも、ゴールの形は3点目もセットプレーに。39分、ミランは右CKの場面でショートコーナーを選択。プリシッチが右足アウトスウィングのクロスを入れると、競り勝ったチャウのヘディングパスがゴール前に。これをオフサイドラインをかいくぐったジルーが得意の左足ボレーで叩き込んだ。

結局、ミランの1点リードで折り返した試合。ユベントスはハーフタイムに5枚替えを敢行すると、この交代が早い時間帯のゴールをもたらす。48分、相手陣内中央左で得たFKの場面でキッカーのキエーザがゴール前に入れた鋭いボールを途中出場のルガーニが頭でフリック。これが相手のジルーにディフレクトし、ゴールネットを揺らした。

ここから試合はやや膠着。その中で互いに60分手前で大幅に選手を入れ替え、控え選手や多くの若手がピッチに並ぶ形に。

ポジション奪取に意気込む控え組やトップチームで爪痕を残したい若手が積極的なプレーでゴールを目指すものの、やはり連携面や単純な個の質もあってなかなか決定的な場面を作れず。結局、試合は2-2のドローで90分の戦いを終えた。

そして、決着を付けるために実施されたPK戦はここまでの流れを踏襲するように拮抗。先攻のミランは1人目のルカ・ロメロ、3人目のポベガが失敗。後攻のユベントスでは2人目のイリング=ジュニオール、5人目のコスティッチが失敗。その後、6人目では先攻のミランのバルテサギの左を狙ったシュートをGKピンソーリオが完璧な読みで止めると、後攻のユベントスはスーレが冷静にGKスポルティエッロの飛んだ逆のコースに流し込み、激戦に終止符が打たれた。

ユベントス 2-2(PK:4-3) ミラン

【ユベントス】

ダニーロ(前33)

ルガーニ(後3)

【ミラン】

チャウ(前23)

ジルー(前39)

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