各地で頻発する大雨… 住宅メーカーが開発した災害を最小限に抑える耐水害住宅とは

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、各地で頻発するゲリラ豪雨や線状降水帯などの大雨による災害に備えた大手住宅メーカーの新しい耐水害設備を紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #16 耐水害住宅

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、浸水被害から守るために開発された「耐水害住宅」を取材しました。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。そして、その歩みは未来へ。備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。
頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。今回のテーマは、「風水害への備え」です。

近年、各地で頻発するゲリラ豪雨や線状降水帯などの大雨。
大雨による住宅の浸水被害は、令和元年東日本台風のときに、都内で床上浸水が816件、床下浸水が706件と、多くの被害がありました。

このような浸水被害を防ぐため、大手住宅メーカーが新しい耐水害の設備を開発。その体験ができる施設に伺いました。

(一条工務店 工事・免震グループ 黒田哲也さん)「水害のときに災害を最小限に抑える耐水害住宅です」

大雨などで大量の水が流れ込んだ場合、一般的な仕様の住宅では、建物の隙間から浸水してきますが、耐水害住宅では、水の浸水はありません。その秘密は…。

(一条工務店 工事・免震グループ 黒田哲也さん)「通常、建物の床下を換気するために換気口が必要なのですが、水害時はそこから水が入ってきてしまうので、特殊な浮きの部分が水に浮かんで、内側についている特殊なパッキンの部分を潰すことで密閉されて水密性を保ちます」

そして、玄関ドアや窓には、自動車に使われているパッキンを応用し、水の侵入を防止。
さらに、室内の気密性を上げることで、住宅が水に浮かびます。

(一条工務店 工事・免震グループ 黒田哲也さん)「水密性を上げることによって、建物が船と同じように水に浮いているという状態です」

しかし、住宅の高機密化を行うと、水害時に浮力が大きくかかり、建物自体が浮上、流失してしまう問題が発生します。これを解決したのが、専用ダンパー付きの係留装置。
家の四隅をポールで繋ぐことで、流されずに、常に一定の位置を保つことができます。
実際に耐水害住宅を購入した人に話を聞くと…。

(耐水害住宅購入者)「過去に近所の川が氾濫したことがあり、水害に対して手立てを打っておきたかった。最近は線状降水帯のニュースを見るが、安心感がある」

住宅購入の他にも、身近にあるもので、ある程度、浸水被害を軽減することもできます。
家庭にあるゴミ袋やポリタンクなどの中に水を入れて、土のう代わりに使用したり、土を入れたプランターを防水シートで巻き込んで連結すれば、水の侵入を防ぐ役割をもたせることができます。
日頃の備えとして、命を守るための準備をすることが大切です。

東京都では、「災害に備えた備蓄」と聞いて、興味はあるけれど、何をどのくらい備蓄すればよいのか分からない人に向けて、簡単な質問に答えるだけで必要な備蓄品目・数量リストを表示してくれる「東京備蓄ナビ」を開設しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/
https://www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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