資格確認書の期限見直し検討 首相、保険証の来秋廃止明言せず

介護施設の視察を終え、記者団に応じる岸田首相=28日午後、東京都大田区(代表撮影)

 政府は、健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一本化した後、保険証代わりとなる「資格確認書」の有効期限の見直しへ検討に入った。「最長1年」を現在の保険証と同じに設定できるようにする方向。岸田文雄首相が来週にも表明する方針だ。複数の政府筋が28日、明らかにした。国民不安を払拭する狙いだが、混乱が続けば、来年秋に予定する保険証廃止延期の是非を判断することも視野に入れる。首相は東京都内で記者団に対し、来年秋の廃止を明言しなかった。

 政府が資格確認書の有効期限を「最長1年」と区切ったのは、国民にマイナ保険証への移行を促すのが目的。これを見直せば、国民のマイナ保険証取得のペースが低下するのは避けられない。マイナ制度を巡る政府対応のちぐはぐさが改めて浮かび上がった。

 首相は28日、東京都内の介護施設を視察し、マイナ保険証の活用状況を聴取。終了後、健康保険証廃止延期の可能性を記者団に問われ「現場の声は大切にしなければならない。関係者の意見を聞いて対応を考えたい」と強調した。

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