ビッグモーター不正疑惑 国交省が県内店舗で立ち入り検査 店の前の植え込み枯れたケースも=静岡

保険金の不正請求で揺れる「ビッグモーター」。問題の余波が静岡県内にも及んできています。国土交通省は7月28日、不正疑惑が浮上している浜松市の店舗で立ち入り検査を実施。一方、富士市の店舗では店の前にあった植え込みが枯れていたことが発覚しました。

<野田栞里記者>

「時刻は午前9時、国土交通省の職員が、ビッグモーター浜松南店の立ち入り検査に入ります」

各地でさまざまな不正疑惑が浮上している中古車販売大手のビッグモーター。ついに国による検査のメスが入りました。

<野田栞里記者>

「国交省の職員たちが従業員の現場を見て回っています」

国土交通省は28日、板金や塗装などで不正な作業が行われた疑いがある全国34の店舗で立ち入り検査を実施。そのうちの1つ、浜松市南区のビッグモーター浜松南店では、国土交通省中部運輸局の職員らが写真を撮ったり、従業員に話を聞いたりするなどの姿が確認されました。

<LINEの文章>

「適当な仕事すんなクソタコ!!!!!!」

「マジでクソすぎる!!!ポンコツ!!!!!!」

高圧的で汚い言葉が飛び交うのは、ビッグモーターの店長らが参加するLINEのグループです。こうした職場環境で働いていた元店長の男性はうつ病を発症しパワハラで会社を訴えましたが、2022年、掛川市で起きた交通事故で死亡しました。

<亡くなった元店長の父親>

「非常に苛烈なプレッシャーがあったんだろうなと感じています。親の気持ちとしては、つぶれてしまえと思いますよ」

亡くなった息子からパワハラ裁判を引き継いだ父親は、JNNの取材に対しビッグモーターには従業員や客を大事にする会社に生まれ変わってほしいと話しています。

一方、県内ではこんな問題も…。ビッグモーター富士店では、店舗の前にある県道沿いの低木が、一部なくなっていることが分かりました。県富士土木事務所によりますと、27日現地調査に行った際、店舗の北側と南側に一部、低木がない状態を確認したということです。

<CBC 当麻葵記者>

「名古屋市名東区です。道路脇には街路樹など緑が生い茂っていますが、向こう側、ご覧ください。ビッグモーターの店の前には全くありません」

ビッグモーターをめぐっては、全国の店舗の前で街路樹が枯れていることが確認されています。

<ビッグモーターの会見>

「甘い認識で除草剤をまいてしまって、影響を与えてしまったということはあると思います」

ビッグモーターは記者会見で、10年ほど前にはこうした事例があったかもしれないが、現在はそんな指導はしていないと説明します。

27日の県の聞き取り調査に対し、ビッグモーター富士店側は地域貢献の一環で草むしりをすることはあるものの、除草剤の使用は否定していて、低木がなくなった原因は分かっていません。

原因究明のため、県は今後、土壌調査を検討しているということです。

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