香川真司が圧巻の決勝点! 打ち合い制したC大阪が新生PSGに初黒星与える【国際親善試合】

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

国際親善試合のセレッソ大阪vsパリ・サンジェルマン(PSG)が28日にヤンマースタジアム長居で行われ、C大阪が3-2で勝利した。

2年連続で実現したPSGジャパンツアーの初戦となる第2戦となった今回の一戦。25日に行われたアル・ナスルとのジャパンツアー初戦を0-0のドローで終えたルイス・エンリケのチームは、ツアー初勝利を目指す中2日での一戦に向けて先発6人を変更。[4-3-3]の前線はガルビ、エキティケ、アセンシオとなった。

一方、今シーズンここまでのJ1リーグで5位に位置するC大阪は、中断明けの後半戦に弾みを付けるべくフランス王者を長居で迎え撃った。2-0で勝利した直近の浦和レッズ戦からは先発5人を変更。香川真司や進藤亮佑、毎熊晟矢に代わって鈴木徳真、マテイ・ヨニッチ、松田陸らを起用。2トップはレオ・セアラと上門知樹が並んだ。また、藤枝からの加入が発表された渡邉りょうがベンチに入った。

マルキーニョスを右サイドバック、アセンシオを左ウイングに配置するなどスペイン人指揮官の試行錯誤を窺わせる布陣でスタートしたフランス王者。これに対して、C大阪は普段通り[4-4-2]のコンパクトな陣形で前から圧力をかけて守備からリズムを掴もうとする。

時間の経過とともに相手の出方を確認し、ビルドアップが安定してきたPSGは、C大阪を押し込む形を作り出す。そして、17分には左に張ったアセンシオから内側でパスを受けたザイール=エメリからの正確なラストパスに反応したエキティケがDFの背後からゴール前に抜け出し、長い足を生かしたワンタッチボレーでゴールネットを揺らした。

相手の見事なコンビネーションプレーによって堅守攻略を許したC大阪だが、すぐさま反撃を開始。相手のハイラインの背後を狙った攻撃でレオ・セアラに決定機が生まれると、この直後にミスを突いてまんまとゴールをこじ開ける。

22分、GKヤン・ハンビンが相手陣内右のジョルディ・クルークスを狙ったロングフィードを蹴ると、ダニーロとシュクリニアルのコミュニケーションミスによってボールが背後へ流れる。これにいち早く反応したクルークスがそのままボックス内にドリブルで運び、最後は得意の左足のシュートをゴール左下隅へ突き刺した。

1-1のイーブンに戻った試合はここから拮抗。基本的にPSGがボールを握る時間が長いものの、酷暑と過密日程の影響で全体的に足元でボールを受ける場面が多く、相手のコンパクトな守備ブロックを崩し切れない。

一方、C大阪は動きが鈍ったPSGに対して切り替えの局面で上回り始めると、カウンターを起点により際どい場面を創出していく。29分には喜田陽のボール奪取から仕掛けたカウンターでボックス内に持ち込んだレオ・セアラに決定機も、カットインから放った右足のグラウンダーシュートはGKドンナルンマの好守に遭う。さらに、前半終了間際にはクルークスとレオ・セアラのクロスからゴールに迫るが、これもイタリア代表GKらの好守に阻まれた。

1-1で折り返した後半、C大阪はレオ・セアラを除く10人を変更。香川や毎熊、舩木翔、進藤亮佑といった主力クラスに加え、石渡ネルソンや北野颯太といった若手がピッチに立った。対するPSGはアセンシオとクルザワの左サイドをソレール、ニャガに入れ替えた。

後半は北野、進藤の連続シュートなどフレッシュなJリーグチームがよりアグレッシブな入りを見せる。だが、先にゴールをこじ開けたのはまたしてもパリの巨人だった。

49分、バイタルエリア中央で仕掛けたヴィティーニャがボックス内でゴールを背にしたエキティケの足元に預けてゴール前に飛び出す。ここにエキティケから絶妙なヒールでのリターンパスが繋がると、ポルトガル代表MFは絶妙なループシュートで難なくゴールネットを揺らした。

一瞬の隙を突かれてゴールを許したものの、全く士気を落とすことなく攻勢に転じるC大阪。57分には北野とのパス交換でボックス内に侵入した香川が鋭い左足シュートでGKドンナルンマにファインセーブを強いる。この直後にはレオ・セアラを下げて新天地デビューの渡邉をピッチに送り込む。

一方、65分手前に中盤を中心に5枚替えを敢行したPSGは、ヴェッラッティやファビアン・ルイス、リュカ・エルナンデスといった主力クラスの選手がピッチに立つ。この交代直後にはスルーパスに抜け出したソレールにGKと一対一のビッグチャンスが訪れるが、ここはシュートを枠に飛ばせない。

すると、ピンチの後にチャンスあり。C大阪は67分、PSGの後方でのボール回しに対して強い圧力をかけた渡邉がDFリュカからボールを奪取。すかさずボックス中央でフリーの北野へ完璧なラストパスを繋ぐ。これを北野がワントラップからの左足シュートでゴール右下隅に決め切った。

この同点ゴールで勢いづく小菊昭雄率いるチームは、直後にも渡邉の強烈なミドルシュートでゴールへ迫る。また、守備の局面ではヴェッラッティのフィードに抜け出したハキミにボックス右で決定機を許すが、GK清水圭介の好守とクロスバーによって難を逃れた。

後半半ばから終盤にかけてもC大阪ペースで試合が進むと、トップオブトップを知る桜の背番号8が圧巻の逆転ゴールを奪って見せる。79分、連動したハイプレスから新井晴樹が相手ボックス付近でヌドゥールを潰してボール奪取。すかさずペナルティアーク付近で浮いた香川に横パスを繋ぐと、元日本代表MFは完璧なボールコントロールから右足のコントロールシュートをゴール右隅の完璧なコースに突き刺した。

この試合で初めてビハインドを背負ったPSGはすぐさま反撃に出たいところだが、C大阪の強度の高い守備に苦戦。なかなか効果的にボールを前進させることができず、フラストレーションを募らせる。それでも、試合終盤の88分にはハキミ、ソレールのコンビで右サイドを崩してボックス内のガルビに絶妙な折り返しが繋がる。しかし、ガルビの左足シュートは精度を欠いて枠外に外れ、万事休す。

そして、親善試合とはいえども格上相手に金星を挙げたC大阪は、来月始めに控える天皇杯、J1再開に向けて大きな弾みを付けた。一方、ルイス・エンリケ体制で初黒星のPSGは8月1日に行われるインテル戦でジャパンツアー初勝利を目指すことになる。

セレッソ大阪 3-2 パリ・サンジェルマン

【C大阪】

ジョルディ・クルークス(前22)

北野颯太(後22)

香川真司(後34)

【PSG】

エキティケ(前17)

ヴィティーニャ(後4)

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