札幌五輪の見直し案、市民に説明 市全10区、支持率向上が狙い

2030年冬季五輪・パラリンピックの札幌開催の意義などを伝えるパネルを見る来場者=29日午前、札幌市

 2030年の冬季五輪・パラリンピック招致を目指す札幌市は29日、東京大会を巡る汚職・談合事件を受けて策定を進める大会運営見直し案について、市民の理解を得るための説明会を始めた。支持率向上につなげる狙い。9月にかけ市全10区で開催する。

 初回は白石区のショッピングモールで実施。運営の見直し案や開催意義を伝えるパネルを展示し、市職員が立ち寄った市民に声をかけ、意見を聞くなどした。これまでは、希望者の求めに応じて職員が出向いて説明する形式だった。

 同市南区から家族3人で訪れた公務員(31)は「公平公正に運営してくれるのであれば、開催してほしい。子どもと一緒に見たい」と語り、白石区の男性会社員(53)は「経済的には開催してほしいが、反対意見が強く、理解を広めるのは難しいのでは」と懸念を拭い切れない様子だった。

 市の担当者は「まずは市民に知ってもらい、多くの意見を聞きたい」と話した。

 市は昨年12月に積極的な機運醸成活動を休止。有識者による検討委員会を設置し、大会運営見直し案の中間報告をまとめた。

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