思い通りにいかないところが魅力的に…ペンキとスプーンで描く絵画 さいたま植竹中、8月に企画展も

椎名直行さん(右)の指導を受けながら、ペンキとスプーンで絵を描く生徒ら=26日、埼玉県さいたま市北区の市立植竹中学校

 埼玉県さいたま市立植竹中学校のユースボランティアサービス部は26日、画家の椎名直行さん(49)=茨城県取手市=を招いてワークショップを開催した。ペンキとスプーンを画材にしたアートで、8月の企画展を前に、絵を描くことの楽しさを改めて学んだ。参加した生徒らは「いろんな絵を描けて楽しかった」と話した。

 同部は特別支援学級の生徒ら13人が所属。創部した2021年から毎年8月、企画展を開催している。今年は8月21~25日に北区役所で、創立70周年を迎える植竹中と創立100周年を迎える県立特別支援学校大宮ろう学園の作品とコラボ展示する予定。

 椎名さんは美術協会純展の理事を務め、宮原コミュニティセンターで、工作ワークショップを毎月開催している。センターに展示されていた同部の生徒らの作品を見て、「素晴らしい」と感動。今年5月に東京都美術館で開催された全国公募展「純展」に、生徒らの作品を招待した。

 今回のワークショップには、部員11人が参加。椎名さんの指導で、黒い紙には白いペンキ、白い紙には黒いペンキ、スプーンを絵筆にして動物や花などを描いた。椎名さんは「みんな、かわいく描いてくれた。この描き方だと、思い通りにいかないところが魅力的になる。描くことを楽しんで、人生の息抜きになってくれたらと思う」と話した。

 2年の酒巻遼一さん(13)は「ペンキでいろんな絵を描けて楽しかった。スプーンで偶然に模様ができていく。そんなに難しくなかった」。1年の神花梨さん(12)は、ゲーム「スプラトゥーン」のタコを描いた。「ペンキで実際に描けて楽しかった。いつも描いているけど、ペンキは初めてで、ちょっと難しかった」と話していた。

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