【MLB】パドレスは売り手に回るのか

写真:パドレスと6年契約を結んでいるダルビッシュ©Getty Images

現地8月1日まであと1週間を切り、トレードデッドラインも佳境に差し掛かる中、未だに買い手・売り手の立場が不鮮明な球団も多い。その筆頭格とも言えるのが、スター軍団ながら低迷するパドレスだ。

フェルナンド・タティス・ジュニアとフアン・ソトという世代を代表するスーパースターを擁するチームに、スター遊撃手のザンダー・ボガーツをも加えたパドレスだったが、大方の予想に反してまさかの低迷。現地27日時点で勝率は.476、プレーオフ圏内までも6.5ゲーム差と状況はかなり厳しい。

しかし、この厳しい状況にあっても、パドレスは売り手か買い手か、不透明な状態にある。

低迷しているとはいえ、パドレスは未だにスターが揃っており、チームが噛み合えば大逆転もありえなくはないというのも理由のひとつだろう。

そして何より、強気の補強でここまでチームを作り上げてきたAJ プレラーGMは、昨年夏のソトのトレード然り、昨オフのボガーツとの契約然り、莫大なリソースを今年のチームに注ぎ込んできている。引くに引けない状況に陥ってしまっているのも事実だ。

とはいえど、チーム状況は一向に改善せず、パドレスは中地区最下位のパイレーツとの直近のシリーズでも負け越すと、徐々にパドレスが売り手に回るのではという報道が過熱してきている。

パドレスの主要なトレード候補は、エースのブレイク・スネルとクローザーのジョシュ・ヘイダーの2人。

ヘイダーは24セーブを挙げ、防御率は0.96(MLBのリリーバーで2位)とキャリアハイペースの好投。スネルも5月以降はMLBトップの防御率1.88を記録するなど、サイ・ヤング賞に輝いた2018年以来のパフォーマンスを発揮している。

両名ともに今シーズン限りでFAとなる“レンタル”のため、トレード市場では人気を集めるだろう。

そして、『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマン記者によれば、パドレスは来年が契約最終年となるフアン・ソトへのオファーにも耳を傾けているというが、法外な対価でなければパドレスは首を縦に振らないだろうと言われている。

ただ、奮わないとはいえど、パドレスはそのたぐいまれなタレント力のおかげもあって未だに26.2%のプレーオフ進出確率を残している。(『ファングラフス』から参照)

パドレスの弱点・補強ポイント挙がるのは、下位打線、ベンチ層の薄さと、決して補強に大きな対価を要するものではない。デッドラインで補強を加え、ここからの2ヶ月に賭けるシナリオも十分考えられるだろう。

強気の補強で“ロックスター”の異名も取ったAJ プレラーGMの次なる一手に注目だ。

© 株式会社SPOTV JAPAN