県内花火大会・祭りが本格化 コロナ前の「夏」復活へ

着々と会場設営が進む「小山の花火」。4年ぶりに有料観覧席(左下)も設置された=27日夕、小山市内

 今週末から8月にかけ、県内各地で花火大会など“夏の風物詩”が本格化する。新型コロナウイルスの影響で中止や規模縮小を余儀なくされてきたイベントの多くが、4年ぶりに通常開催の形に復活。有料観覧席が早期に完売するなど、コロナ禍以前の人出に戻ることが期待され、各実行委員会は安全対策なども含め入念に準備を進めている。

 整然と並んだ観覧席のテーブル、次々と掲げられるぼんぼり。27日夕、小山市中央町1丁目の市役所近くの思川河川敷では、30日に開催する「小山の花火」の会場設営が進み、祭りムードが一気に高まっていた。

 中止となった2020年、観覧会場を設けず花火の発射箇所を分散させた21、22年を経ての通常開催。同市は従来規模の約40万人の来場を想定する。4年ぶりとあって、担当者が神経をとがらせるのが、見物客の安全確保だ。

 特に帰宅時の混雑に警戒を強める。今回は人の滞留が予想されるJR小山駅西口ロータリーの内側への出入りを初めて規制し、駅への導線をスムーズにするなどして本番に臨む。

 「足利花火大会」(8月5日)も無料駐車場の台数を増やすほか、交通規制の担当者も増員するなどして50万人を見込む観覧者に対応する。実行委が取り扱う分の有料観覧席は「販売開始から約1~2週間で売り切れた。例年より早い」と担当者は盛況を予感する。

 「うつのみや花火大会」(同12日)はコロナ禍の経験を生かす。運営するNPO法人「うつのみや百年花火」によると、昨年、全エリアを完全チケット制にし、入場者も従来の半分以下に制限したところ、「人が密集せず安心して見られた」と好評を得た。今回も完全チケット制を採用。担当者は「日本一、安全安心な大会を目指している」と力を込める。

 「大田原与一まつり」(同4、5日)は4年ぶりの開催。猛暑の中、小学生が甲冑(かっちゅう)姿で街を練り歩く武者行列の安全確保などを理由に、20年から休止していた。

 大田原市によると、気温の高い時間を避けるため、交通規制の開始を前回の午後2時から同3時に繰り下げたり、武者行列で休憩を入れたりして暑熱対策などに注力する。

着々と会場設営が進む「小山の花火」。4年ぶりに有料観覧席(右下)も設置された=27日夕、小山市内

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