暑さ対策商品好調 熱中症8月も要注意

省エネモデルなどの商品が並ぶ家電量販店のエアコン販売コーナー(28日、和歌山県田辺市東山2丁目で)

 和歌山県紀南地方も猛暑が続き、冷房や暑さ対策関連商品の売れ行きが伸びている。一方で、熱中症とみられる救急の搬送人数も増えており、消防などは、こまめな水分補給やエアコンなどを使った室温管理への注意を呼びかけている。

 田辺市東山2丁目の家電量販店によると、7月に入ってから冷房用品の売り上げが伸びており、エアコンの売り上げは昨年同時期と比べて約130%で、設置工事も混んでいる。

 扇風機も昨年同時期を超える売れ行きで、手に持つタイプや首を冷やすタイプの扇風機も人気。電気代を気に掛ける人も多く、エアコン、扇風機とも高価格帯にはなるが、省エネ性能の高い商品の売れ行きが好調という。

 同店はエアコンの使用について「省エネ効果のためには、フィルターの掃除をこまめにすることが大切。熱中症の危険もあるので、暑い時は我慢せずに適切に利用してほしい。排水ホースから虫が入って故障の原因になることもあり、防虫キャップも利用してもらえれば」と話している。

 田辺市下万呂のドラッグストアでは、暑さ対策グッズが売れ行きを伸ばしている。売れ行きは昨年同時期に比べて経口補水液が130%、冷却シートが150%、冷却枕は300%で、7月上旬から一気に販売数が増えたという。

 また、水で割って飲むリンゴ酢など暑さからくる疲れに備える商品も人気を集めている。同店は「これだけ暑いと疲れもたまる。リンゴ酢は小さな子どもからお年寄りまで飲めるため、購入される方が多い」と話している。

■7月は24件出動

 田辺市消防本部によると、熱中症の疑いがあるとして救急隊が出動した件数は5月2件、6月6件だったが、7月は27日時点で24件と増えた。昨年も熱中症による救急搬送人数は7月16人から8月22人と増えたことから、8月も引き続き注意が必要となる。

 同本部はこまめな水分補給のほか、部屋の温度を確認し、エアコンや扇風機を使って室温を管理することなどを呼びかけている。

■動物にも暑さ対策

 白浜町のアドベンチャーワールドによると、ラクダやカワウソなどの運動場ではテントを張って日陰を作っているほか、レッサーパンダなど暑さが苦手な動物にはミストを出す対策をしている。

■「警戒アラート」続く

 気象庁と環境省が、熱中症のリスクが高まった際に注意を呼びかける「熱中症警戒アラート」は、和歌山県には25日から5日連続で出ている。

 気象庁のデータによると、紀南地方でも30度を超える日が続いており、27日には最高気温が栗栖川(田辺市)で35度、西川(古座川町)で35.3度と猛暑日を記録。29日の最高気温(午前11時現在)は栗栖川32.6度、西川32.2度、新宮31.3度、潮岬30.6度などと上がった。

 和歌山地方気象台によると、8月5日まで和歌山市で最高気温が34度や35度との予報が出ており、県内は厳しい暑さが続く可能性が高い。

レジ横に並ぶ暑さ対策商品(28日、和歌山県田辺市下万呂で)

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