LINE削除、従業員証言重要に ビッグモーターの追及本格化

立ち入り検査のため、ビッグモーター浦和美園店に入る国交省の職員=28日、さいたま市

 国土交通省は中古車販売大手ビッグモーター(東京)への立ち入り検査を踏まえ、道路運送車両法に基づく行政処分を視野に追及を本格化する。整備料金の不当請求を巡る調査が主眼だが、違法行為の有無を書類上の記録だけで判断するのは難しい。同社は社内連絡用のLINE(ライン)アカウント削除を指示しており、従業員の証言が重要となりそうだ。

 6月に外部弁護士がまとめた調査報告書は、各種書類や写真、ラインを使った画像や文章のやりとりを基に、道路運送車両法が禁じる整備料金の水増し請求の疑いを指摘。国交省が立ち入りに踏み切る端緒となった。

 国交省は今後、立ち入りで把握した車の写真や整備中の車両、見積書や納品書などを精査。報告書に示された「不要な板金作業や部品交換」などの有無や実態について確認を進める。

 道路運送車両法は実際にしていない整備や依頼のない整備での料金請求を禁じている。こうした行為が整備記録に残されることは考えにくく、書類だけで見抜くことは難しい。立証には画像や関係者の協力が不可欠だ。

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