水戸空襲、紙芝居で 朗読グループ上演 茨城

水戸空襲を題材にした紙芝居に聞き入る来場者=水戸市三の丸

300人以上が犠牲となった「水戸空襲」(1945年8月2日)を題材にした紙芝居や朗読会「紙芝居とお話で伝える-水戸空襲と弘道館」が29日、茨城県水戸市三の丸1丁目の県立図書館と弘道館で開かれた。朗読グループが空襲警報の演出や登場人物の葛藤を情感たっぷりに表現。来場者約100人は、戦争の悲惨さや理不尽さについて理解を深めた。

朗読グループ「次世代に伝えたい朗読と紙芝居のオリーブ」が「ある紙芝居屋の物語~それでも黄金バットはやってくる」を上演。体が不自由で徴兵を免れた男性が、紙芝居屋を営んで子どもたちと触れ合っていたものの、演目が戦争礼賛の内容に変更させられるなど、戦争に翻弄(ほんろう)される姿を描いた。

紙芝居では、出征意欲を口にするようになった子どもに、男性が悩む様子を表現。水戸空襲の場面では、「ウウウー」と声をそろえて警報音を表したり、焼夷(しょうい)弾で焼ける街を絵で見せたりして臨場感を演出した。

他に、戦時中の女学生を主人公にした作品の朗読をはじめ、同館近くにある弘道館に残る水戸空襲の跡についても解説した。

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