<金口木舌>スポットライトの外側で

 現代版組踊「肝高の阿麻和利」は子どもたちが主体となって舞台をつくる。2000年の初演以来、国内外の公演で約20万人の観客を動員した。8月の東京公演を控え、子どもたちは練習に汗を流す

▼ステージの子どもたちは華々しくスポットライトを浴びる。輝く舞台にたどり着くまで多くの努力を重ね、時には困難を乗り越えたことだろう。躍動する姿は多くの人に感動を与えてくれる

▼26日のプロ野球では、読谷村出身の仲地礼亜投手が輝きを放った。ピンチを迎えても動じず、切れのある直球で強打者を三振に仕留めた。プロ初勝利を挙げて「うれしい気持ちでいっぱい」と喜ぶ

▼5月のプロ初登板は思うような投球ができず黒星を喫した。2軍で調整を続け、試合で結果を残して好機が来るのを待った。自分を信じて努力した先に白星が待っていた

▼舞台の子どもたちもプロ選手もスポットライトを浴びるまでに人知れず奮闘する。結果ばかり見てしまう私たちが学ぶことは多い。日々の勉強や仕事も過程を大切にすると結果がついてくる。

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