JR芦屋駅の改装工事がようやく完成、より「芦屋らしい駅」へ

2020年8月から約3年かけて進められてきたJR芦屋駅(兵庫県芦屋市)のリニューアル工事が完成。7月29日に、『JR芦屋駅リニューアル完成・開業110周年記念式典』がおこなわれ、多くの芦屋市民や鉄道ファンが集まった。

JR芦屋駅の駅コンコース

■ 新エスカレーターや新たな店舗も仲間入り

110年前に開業してから、戦災や阪神淡路大震災の大きな苦難を乗り越えてきたJR芦屋駅。新快速も停まる同駅は、1日に4万7000人が利用する。

リニューアルは、上下線のホームから改札階へのエスカレーターと、コンコースから地上階へのエスカレーターの設置のほか、お手洗いの改修、コンコース待合の設置、店舗開業などが含まれる。外光がたっぷり入る明るいコンコースには、同駅北西にあるフランク・ロイド・ライト設計「ヨドコウ迎賓館」の木組み装飾のモチーフも飾られ、芦屋らしい雰囲気がつくられた。

リニューアルされたJR芦屋駅の「エスカレーター」

■ 「綺麗になって使いやすくなった」

「JR西日本」兵庫支社長の國弘正治さんは、「生まれ変わったJR芦屋駅を多くの皆さまと一緒にお祝いができることを心よりうれしく思っております。多くの皆様に親しまれ愛される駅になりますように、ますますの安心安全輸送に努めてまいります」と式典で挨拶。

コンコースの南端には、「ここには将来歩行者用デッキができます」という案内が設置されている。駅のリニューアル完成後は、南側の再開発事業が芦屋市によりおこなわれる予定。芦屋市長・髙島崚輔さんは「駅のリニューアルは今日をもって完成となりました。これからは我々行政の番になります。交通課題の解決、新たな芦屋市の玄関口としての街並みを形成し、新しい街づくりを進めていきたい」と力強く語った。

コンコースで、浴衣姿の女の子と一緒に人を待っていた神戸市に住む女性は、「綺麗になって使いやすくなりました。子どもがいるのでエスカレーターがあると便利ですし、今日はなかったのですが、待合の椅子があるので助かります」と話した(式典のため椅子は一時撤去されていた)。

■ 「淡路屋」からは4日間限定のお弁当

また、老舗弁当店「淡路屋」(本社:神戸市東灘区)の特製弁当「JR芦屋駅開業110周年記念 六甲山縦走弁当」が4日間限定で(〜8月1日/JR芦屋駅構内にて)販売。販売開始前から多くの人がならび、約30分で完売となった。

JR芦屋駅のリニューアルを記念して作られた「淡路屋」のお弁当

代表取締役副社長の柳本雄基さんは「芦屋駅で昔から人気の六甲山縦走弁当をベースに初めて特別版を作りました。記念のときには愛されたものを出していきたいと思って。皆さんに届いたようでうれしいです」と人気を喜んだ。販売は朝11時~昼2時で、7月30日から8月1日は「淡路屋」店舗(新神戸駅、神戸駅、西明石駅、鶴橋駅、芦屋大丸店)にて販売される。

取材・文・写真/太田浩子

© 株式会社京阪神エルマガジン社