「勝たないと意味がない」 鈴木愛は逃げ切り失敗で3位

17番のミスパットが何よりも悔しい(撮影/大澤進二)

◇国内女子◇楽天スーパーレディース 最終日(30日)◇東急グランドオークGC(兵庫県)◇6636yd(パー72)◇晴れ時々曇り(観衆1601人)

2打差リードで単独首位から出た鈴木愛は3バーディ、1ボギーの「70」で回り、通算19アンダーの3位に終わった。2年ぶりの復活優勝を逃して「勝たないと意味がない。誰も(負けたプレーは)覚えていない」と悔しさに唇を噛んだ。この日は午後5時30分から大ファンの「なにわ男子」のコンサートを控えていたが、“祝勝会”とはならなかった。

ツアー通算17勝の元賞金女王が優勝争いの、最終日最終組の難しさに直面した。初日から3日間は好感触だったショットが今ひとつで、ピンに絡まない。前日まで平均75.9%(41/54)だったパーオン率も18ホール中9ホールの50%。「ショットがあんまり乗らんし、乗っても端っこばっか。ドライバーも心なしか左に行ってほしくないホールとかで振り抜けなかった」とこぼした。

元女王にもプレッシャーが…最終日はショットが乱れた(撮影/大澤進二)

後半13番(パー5)で7mのバーディパットを沈め、20アンダーの櫻井に追いつきトップに並んだが、16番でバンカーから寄ら切れずボギー。2打ビハインドで迎えた17番パー3で手前1.5mにつけたが、パー。望みをつなぐパットを外して「17番のパットは、フェースが被って左に行きそう…とか気持ち悪いまま、自分のリズムで打てなかった」と話した。

プレーペースにも戸惑った。前半から小祝さくら、岩井明愛、宮澤美咲という1組前についていけず、1ホール引き離されもした。「組の流れも悪くて、前の組についていけず。テンポよくショット、パットが打てなかった。ちょっと体力的に足りなかったところもある」という。

猛暑のなか4日間やり切ったものの…(撮影/大澤進二)

様々な要因が絡んでのV逸。それでも、新型コロナ感染から復帰2戦目、猛暑の4日間で優勝争いを演じたことは間違いない。「前半は優勝争いならではの『ミスしたくない』という気持ちが前に出過ぎて自分らしいプレーが出来なかったのもある。まだトレーナさんに連絡していないけど、明日か明後日にはトレーニングをもう一度して次に備えたい」と再スタートを誓った。(兵庫県加東市/石井操)

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