新店「YAYOI TOKYO」。史上最高にかわいく美味しいジェラートとデザート徹底解剖

この夏、また話題の店がスイーツ激戦区でもある世田谷に。世界大会で数々の受賞歴を持つパティシエ・大塚陽介シェフが手掛けるジェラートショップ「ヤヨイ東京(YAYOI TOKYO)」が、2023年7月6日(木)に東京・三軒茶屋エリアにOPENしました。

デザイン×デザートの新しい空間と、クリエイションは今までになかった新しいシェフの挑戦を感じます。今回はあふれんばかりの想いを大塚シェフとディレクターをつとめる山科さんに伺ってきました。

「ペーパーエデン」のアートワークで彩られた世界

最寄り駅は三軒茶屋駅。駅からは徒歩6~7分程度のところに。ショップコンセプトは「なにげない日常を幸せなひとときに」。ジェラートをメインにしながらも、シェフが作る出来立てのミルフィーユや手土産にもぴったりなパウンドケーキなど、様々なスイーツが楽しめます。

白壁、白テーブルのシンプルな空間を薄桃色にライトアップした店内はペーパーフラワーブランド「ペーパーエデン」 のアートワークで装飾。フラワークリエイター篠崎恵美さんが手掛けたそう。お菓子屋さんでは考えられないような、クリエイティブチームがお店づくりに加わり、ユニフォームは人気スタイリスト丸本 達彦さんが担当するなど、空間にいるだけでも気分が上がるほど。

また「上質なスイーツをカジュアルに楽しんでほしい」という想いのもと、あえて椅子を置かず、スタンディングスタイルにしたんだとか。

「YAYOI」が意味するジャパニーズニュークラシック。屋久島の水で作られたジェラートの美味しさ

メインとなるジェラートのフレーバーは、シェフのこだわりでお店のテーマである「普遍性」からミルクや苺、ショコラなど定番の食材に加えて屋久島たんかんや加賀棒茶など数多くの国産素材も。ちょっと重くなりがちな多くの人が想像するジェラートとは異なり、みずみずしくさっぱりといただけるほか、素材の香りがふわっと広がる。その秘密は使用している「水」にあるそう。

使っている水は、数多く試して行き着いた屋久島の水。口どけの良さと素材の香りのたち方、そして風味の出方が別格の美味しさです。

コンセプトは店名の「YAYOI TOKYO」にもある「ジャパニーズニュークラシック」。日本らしいジェラートを追求して、このフレーバーと美味しさに結び付いたんだとか。

またジェラートはペアリングも楽しめる設計に。渋谷の名バー “石の華”のオーナーバーテンダー・石垣忍氏がカクテルレシピを監修。

三軒茶屋はお酒を飲む店も多い立地柄、飲んだあとにさっぱりとジェラートともう1杯、そんな楽しみ方ができる設計もユニーク。お酒もジェラートに合うように作られたジントニックといったカクテルのほか、ナチュールワインの品ぞろえも今後増えていくんだとか。

8月から待望のスタート! アシェットデセールのような、唯一無二のパフェとミルフィーユ

一般的に連想されるパフェとは異なる、パティシエが作るからこそ、新しい表現のパフェが8月から登場。技術をフルに活かして組み立てられた、まるでアシェットデセールのようなパフェは、繊細で美しいクリエイション。

桃とチェリーのパフェとなっており、早くいただいてみたい逸品。

そしてミルフィーユは、定番メニューではあるものの「持ち帰って食べるよりその場で食べたほうが美味しい」というシェフの考えからテイクアウトではなく、出来立てミルフィーユが登場します。

飴細工をあしらえ、美しい見た目にこちらも人気がでそうなメニュー。

世界大会を優勝したシェフが作る、持ち帰りができないほど繊細なショコラもいただくことができます(写真右上)。

そしてギフト需要に備えてパウンドケーキ「KYUKYOKU NO CAKE」も。パウンドケーキはオレンジジュレ、ドライフルーツ、ヌガンティーヌの食感を感じられる軽いケークに仕上がっています。

圧倒的なクリエイション、圧倒的な美味しさ。世界をとった大塚シェフとは

「YAYOI TOKYO」のスイーツを手掛けるのは、大塚陽介シェフ。著名パティシエのもとでキャリアをスタートし、商業施設や高級旅館の立ち上げにシェフパティシエとして参加。イタリア政府公認のスイーツの世界大会「The World Trophy of Pastry Ice Cream Chocolate(FIPGC)」で優勝した経験も持ち合わせています。今回、なぜジェラートをメインにしたのか?シェフに伺うと……。

大塚シェフ「ジェラートを作る理由は、2つあります。一つは、パティシエとしての活動の新しい可能性を開くためです。ジェラートはお菓子の中でも生産する上で再現性が高く、手間がかからず提供できます。また生産性の良さが労働環境の改善にもつながるためです。パティシエとして労働環境をしっかり確保し、クリエイターとしてのパティシエの新しい活動をする時間を作る。そういう意味でジェラートはすごく可能性があると思っています。

もう一つは、昔の僕たちの食体験の記憶にあるからだと思っています。幼少期に、家でアイスクリームが必ず家にあって、家族で食べたりとか、それぞれの昔の思い出に結びついているものだと思います。そんな普遍的なジェラートという存在の可能性を感じたことが理由ですね。今話した『普遍性』というのが僕たちの掲げるテーマの一つです。」

ものづくりの根底にあるカルチャーを大事に。そして地元の人に愛されるお店としての未来

まずは三軒茶屋に住む、地元の人にも愛されたいと山科さんと大塚シェフ。取材時も、隣の幼稚園生がお店の前で手を振る様子も。

パティシエという新しい働き方を考えていきたいと話す大塚シェフ。実際に大塚シェフは人気モデル鈴木えみさんのショコラを手掛け、ファッションブランド「ヤエカ」が手掛ける田園調布の「サヴール」など、多くのコラボレーションやプロデュースに携わり、時代が変わって新しくなるパティシエの世界に新しい風を吹かせます。“人生一回限りだから挑戦したい”そんな意気込みを語ってくださった大塚シェフ。カルチャーが好きな二人が目指す「YAYOI TOKYO」のこれからがとても楽しみです。

About Shop
YAYOI TOKYO
東京都世田谷区太子堂2-23-10 栄ビル1階
営業時間:月~木 13:00-20:00、金-土 12:00~22:00、日 12:00~19:00
定休日:なし

Photo/Shintaro Oki(大木慎太郎) Writing/Cream Taro

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