愛犬が甘えるときの“しぐさ”5選

こんにちは。内田友賀です。

大人になるにつれて、人は誰かに素直に甘える機会が減ってくるものですよね。その点、犬は何歳になっても素直で甘え上手な動物。人の心をわしづかみにする可愛らしいしぐさに、目じりの下がる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

今日は、“甘え上手選手権”代表(?)のぽん太さんから、「甘えるときのしぐさ5選」をお届けします。

前足で「ねぇねぇ」

遠慮がちに前足でチョンチョンとすることもあれば、自分のほうに引き寄せるようにクイッとすることもある、前足を使った甘えのしぐさ。

犬にとって前足は、人の手のようなもの。まさに「ねぇねぇ」と飼い主さんに注目して欲しいときの合図です。遊んで、オヤツちょうだい、なでて、抱っこして、お散歩行こう、などメッセージ(要求)を伝えるためのしぐさの1つですので、愛犬が何を伝えたいのか、その後の行動をしっかりと観察してみましょう。

一方で、長時間ガリガリしたり、必死にかくような場合は、ストレスの転嫁行動だったり、要求のコントロールができていない場合もあります。根負けして愛犬の要求に応えるのではなく、愛犬と上手にコミュニケーションを取れるように、普段から心がけてみましょう。

目を細めて、うれみみ(耳を後ろに寝かせる)

「うれみみ」とは、うれしいときに、耳が後ろに寝る状態のこと。特に立ち耳の犬は分かりやすいですよね。

目を細めて耳を後ろに寝かせるのは、うれしかったり安心していたり、甘えたりするときの特徴です。「なでて♪」と言わんばかりに顔を近づけてくるこのポーズは、子犬が母犬にするような、あふれんばかりの喜びや大好きの気持ちを伝えるアピールなのです。

愛をこめて優しくなでてあげてくださいね。

あごのせ

まさに「安心してるよ♡」という気持ちが伝わってくるあごのせ。信頼してリラックスしている、最高にまったりとした時間です。愛犬は、今この時間や空間にとても満足しています。もしかすると、「一緒にこの時間を過ごそうよ」とメッセージを伝えている場合もあるかもしれません。

そんな時は「今、同じ瞬間を同じ気持ちで過ごしているよ」という意識で、愛犬との時間を過ごしてあげてください。あごのせの時は、声がけも触り方も優しくスローにすることで、心が穏やかになります。

顔や口を舐める

犬にとって顔や口元を舐めるという行動は、親愛の証。親子や親密な犬同士で相手への愛やリスペクトを伝える方法の1つで、「大好きだよ」と精いっぱい伝えてくれているしぐさです。

また、相手に「安心して」と伝える意味もあるため、飼い主さんの精神状態が良くないときに舐めてくれる場合は、愛犬が飼い主さんの気持ちに同調し、心を寄せてくれている時です。感謝をして、ありがとうと伝えてあげてください。

一方、しつこく舐める場合には、飼い主が喜んだり、やめて~!と騒ぐ行動が見たくて、遊びの一環で舐めている場合もあります。適度を超えた行動が習慣づいてしまうことでセルフコントロールに影響が出たりと、デメリットもありますので、飼い主さんが「終わりだよ」と区切りをつけてあげるようにしましょう。

背中やお尻をくっつける

背中をピタッとつけてきたり、お尻をモジモジとくっつけてきたり。動物にとって「背後を預ける」というのは安心している証拠です。背中を密着させることで守られている感覚になるため、自分を守ってくれる人に対して見せるしぐさです。

また、他の犬が居る前でする場合は、飼い主さんを自慢していることも。それを知ると、とっても愛らしいですよね。そんな時は「私に任せて!」という気持ちを伝えて、愛犬にとって誇らしい飼い主さんで居てあげてください。

番外編

あなたの愛犬独特の「甘えん坊しぐさ」はありますか? 犬種や性格によって、他の人には理解できない我が子だけのコミュニケーションもあります。番外編として、ぽん太さん独特の甘えん坊しぐさをご紹介します!

おまたパカーン

お腹を上に向ける、いわゆる「へそ天」とは少し違うこのしぐさ。リラックス中、おもむろに片足を開いて「なでて」とお誘いするポーズ。特に、寝ているぽん太さんのそばを通り過ぎようとした時、このしぐさで呼び止められます。

ムキッ歯ごっこ

柴犬によくみられるムキッ歯をしながら遊ぶスタイル。子犬に戻った気分なのでしょうか、ちょっと童顔になるのも特徴です。怒っているのかと思ってやめると、オモチャを目の前に落として「取ってよ~! ムキッ歯したいから!」と催促をしてきます(笑)。

全身脱力

クネクネの蛸さんみたいに、見事に全身の力を抜いて身を任せるこのしぐさ。骨を失ったかと思うほど、本当にぐにゃぐにゃになります(笑)。 全ての不安やストレス、恐怖心から解放され、ふわふわな魂そのものを抱っこしているような、究極の甘えと癒しのしぐさです。

何にでもあごのせ

愛情表現以外に、お誘いの意味もあるあごのせ。「僕に気づいてよ」と、すぐそばで目を細めて甘え顔でスタンバイします。こうなったら、寄り添う物は人じゃなくても構わないようです(笑)。いろいろな物にあごのせをしてアピールをします。

少しだけ気にしてほしいこと。

たまらなく愛らしい「甘えのしぐさ」ですが、時に病気や痛み、不調のサインという場合もあります。甘え方やタイミングに違和感を覚えたら、体をよく観察したり健康診断に行ったり、注意深くケアをしてあげてください。

甘えのしぐさは、愛と感謝のメッセージ

甘えのしぐさ自体は、愛犬をダメにするものではありません。それは、愛犬からの精いっぱいの愛と感謝のメッセージです。

甘えのしぐさを、単に「可愛い」「癒される」だけでなく、飼い主さんがそれに応える“適切な返信(反応)”をすることで、愛犬の心は満たされます。

可愛いしぐさ見たさに過剰に反応せず、「ありがとう。愛してるよ」をその瞬間に心を込めて伝えてあげてください。そうやって双方向のコミュニケーションが成立することで、“しぐさ“が”メッセージ”として、役割を持つと思うのです。

Lots of love.

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