「木に登り伐採」実践 従事者が技術習得受講 宮崎・美郷町

講師のサポートを受けながら木に登る受講者

 美郷町は26~28日、樹木を根元から切り倒さず木に登って伐採する「特殊伐採」の技術習得講習会を町内で開いた。森林組合や企業から林業従事者17人が参加し、ロープワークを用いた安全な木の登り方などを体験。現場での実践を目指して知識を深めた。
 倒木の事前防止などのため高木の伐採需要は増えているが、重機を使用できない住宅地や寺社仏閣周辺などでは、特殊伐採の技術が必要なケースも。そこで事業者の技術向上を目的に、熊本県の専門業者を講師に招き、初めて開いた。
 26日は同町西郷の町有林で実地講習。講師の男性がハーネスなど専門道具を身に着けロープで体を木に固定した状態で樹高約16メートルのスギによじ登り、実演しながら伐採の方法を説明した。午後からは受講者も体験し、道具の扱い方や注意点などを身をもって学んだ。
 同町北郷で林業会社を営む河内秀典さん(40)は「専門の人から現場での体験談や扱う道具についても教えてもらい、とても有意義な時間だった。安全第一で地域の要望に応えられるよう、技術を磨いていきたい」と話していた。

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