入管、反戦ロシア人に長期ビザ 帰国なら「身の危険」訴えに特例

東京都港区の東京出入国在留管理局

 ウクライナ侵攻に反対しロシアを離れて来日した20代のロシア人女性2人に対し、日本の入管当局が特例で在留資格を「短期滞在」から「留学」に切り替え、中長期の滞在を認めたことが30日、分かった。在留資格の変更には通常、母国への一時帰国が必要だが、日本に滞在したまま手続きを行った。侵攻反対を理由にした特例措置認定が明らかになるのは異例。

 2人は東シベリア出身で友人同士。昨年9月、ロシアで部分動員令が発動された際「自分たちも後方支援で動員されるのではないか」と危機感を募らせ、もともと文化に関心があった日本への出国を決意した。

 留学など中長期のビザよりも簡単に取れると見込んだ90日間の短期滞在ビザを取得し、昨年11月に入国。その後もビザを延長して長期滞在の機会を探った。

 ロシアでは反戦運動が徹底的に弾圧され、言論統制が強まっている。2人は来日後、ウクライナ支援を呼びかけており「一度帰国すれば身に危険が及ぶ可能性がある」と主張。日本に滞在しながら留学への在留資格変更を東京出入国在留管理局に申し出た。

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