【ベトナム】電気料金近く再値上げの方針、EVN[公益]

国営ベトナム電力グループ(EVN)は28日、現行の電気料金が維持されれば、下半期(7~12月)中に資金不足に陥る可能性があるとして、近いうちに電気料金を引き上げる方針だ。資金不足に陥れば、燃料の確保や発電所からの電力買い取りが滞り、国の電力供給全体に影響するという。タインニエン電子版が同日伝えた。

ベトナム・エネルギー協会(VEA)が同日開催した、持続可能なエネルギー開発に関する会合でEVNの代表者が発言した。資金難を改善して国内の電力供給を確保するため、同協会に対して、EVNが電気料金を調整することを許可するよう、政府やファム・ミン・チン首相らに働きかけることを求めた。

代表者は、世界的な燃料価格の高騰などでEVNの業績は悪化しており、この状況が続けば下半期以降、数年にわたり経営難が続くと説明。特に電気料金が現状のまま維持された場合、12月までに資金繰り難に陥り、石炭や石油、ガスなどを購入できなくなる恐れがあると指摘した。

発電所からの電力買い取りに充てる資金も不足し、継続的な運転や市場への電力供給に影響する可能性も示した。すでにEVNは発電所に対しての未払いがあるという。

EVNは、前回の改定から最短で6カ月後としていた電気料金の改定期間を、3カ月後に短縮することや、発電所からの電力買い取り資金をベトナム国家銀行(中央銀行)が無利子で融資することなどを政府に提案している。直近の電気料金の引き上げは5月4日で、約4年ぶりに平均価格を3%引き上げた。政府への提案が通れば、最短で8月から再値上げが可能になる。

EVNの代表者によると、同グループは資金捻出のため、20~22年に修理費を10~50%削減し、今年もさらに削減を進めるとしている。ただ電力システムの安全性に影響する可能性があるため、一時的な手段だと強調した。

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