夜間の遊泳「涼しい」 輪島・町野水泳プール管理の地元団体、初の一般開放

夜間に開放されたプールを楽しむ子どもたち=輪島市町野水泳プール

  ●小学校は猛暑で昼間の使用中止

 輪島市町野水泳プールで29日、夜間に一般開放する「ナイトプール」(北國新聞社後援)が初めて行われた。連日の猛暑の影響で市内の小学校で昼間のプールの使用が中止となる中、施設を管理する地元の団体が地区外の児童も保護者と一緒に来ることができる時間帯に開放することを企画した。約70人が涼を求めて続々と訪れ、ほの暗い照明の中、歓声を上げながら遊泳を楽しんだ。

 市内の小学校では、各校のPTAが中心となって夏休み中にプールを開放しているが、熱中症を防止するため、熱中症警戒アラートが発表された場合は中止している。夏休みは21日に始まったももの、警戒アラートが24日から連日発表されているため、プール開放はほとんど行われていない。

 小学校のプールが使用できない状況を受け、町野水泳プールを管理する町野スポーツクラブは、子どもたちにプールを楽しめる機会を提供し、夏休みの思い出づくりに役立ててほしいと、ナイトプールの実施を決めた。

 29日は午後7~9時にプールを開放した。照明設備がないため、クラブ職員が監視台に発光ダイオード(LED)を取り付け、黄や赤、青に光るライトを水中に入れて特別感を演出した。

  ●地区外の親子も続々

 親子連れらは持参した水鉄砲や浮輪を使って水遊びを満喫し、町野小4年の高野叶衣(かなえ)さん(10)は「夜のプールは涼しくて、友だちといっぱい遊べて楽しかった」と笑顔を見せた。町野地区から約20キロ離れた市中心部の小学生も訪れ、保護者からは「夏休みにプールに入らせてあげたかったので助かる」との声が聞かれた。

 夜間開放は8月12日にも実施する予定で、クラブ職員の高谷稔さん(62)は「大勢の子どもが来て、喜んでくれて良かった」と話した。

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