水害リスク、世帯ごとに診断書 東京都東部、規模示し注意喚起

「我が家の水害リスク診断書」のサンプル

 東京都は、海抜ゼロメートル地帯が広がる江東区など東部の約48万世帯に、洪水や高潮の際に予想される浸水の深さなどを記載した「我が家の水害リスク診断書」の配布を始めた。都によると、ハザードマップではなく、水害リスクを世帯ごとに明示した資料の提供は全国初の取り組みという。

 担当者は「準備をすれば命を守れることが多い。災害を自分のこととして考えてほしい」と話している。

 対象は浸水の深さが5メートルに達すると想定されるなど、特にリスクが高い墨田、江東、足立、葛飾、江戸川各区の住宅やマンション。診断書はA3用紙1枚で、荒川と江戸川の洪水や高潮の際に予想される浸水の深さや継続期間を明記した。堤防決壊などで家屋が倒壊したり、流失したりする恐れがある地域に該当するかどうかも伝える。

 これらの診断結果を踏まえ、自宅避難が可能な場合には「水や食料、薬の備蓄」を求めている。外への避難が必要な場合には早めの行動を呼びかけ「大規模水害では区内の避難所も浸水することがあるため、区外などへの避難が必要」といった注意事項を記載した。

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