茨城・常陸大宮市 水害避難力強化へ訓練 市民、命守る意識高める

指定避難所に避難してきた訓練参加者=常陸大宮市上村田

水害発生時の避難力強化を図ろうと、茨城県常陸大宮市は30日、同市上村田の大宮南部コミュニティセンターなどで防災訓練を実施した。大型台風の影響で久慈川の洪水の危険性が高まったと想定し、迅速、的確な避難の呼びかけや避難所開設の手順などを確認した。参加した市民約120人は命を守るための意識を高めた。

対象になったのは、久慈川沿いの岩崎、久慈岡、高渡町、宇留野圷、根本、上岩瀬、下岩瀬の各地区。市役所に災害対策本部を設置し、午前9時に発令した警戒レベル3の「高齢者等避難」、同9時半に発令した同レベル4の「避難指示」に基づき、指定避難所2カ所と自主避難所3カ所で実施した。

市の防災行政無線や広報車などで対象地区に避難を呼びかけ、要支援の住民への対応も確認した。大宮南部コミュニティセンターには4地区の住民約80人が集まり、避難手順などの把握に努めた。県防災ヘリによる災害状況の把握や救助訓練も行った。

2019年10月の台風19号(東日本台風)で浸水被害を受けた宇留野圷地区の関政章区長は「当時は消防団が何度も巡回に来てくれて助かった。その後、自主防災組織もでき、関係団体と連携が図れるようになった」と振り返り、「訓練は大切。やっておかないと実際の災害時に体が動かない」と話した。

川西知宏・市危機管理課長は「訓練を重ねるごとに、少しずつ具体的に行動が起こせるようになっている」と評価した。

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