15%の株式相互保有 日産とルノー、最終契約の締結完了を発表

ルノーグループ、日産自動車株式会社は7月26日、2023年2月6日に締結・公表された拘束力のある枠組み合意を踏まえた最終契約の締結完了を発表した。ロックアップおよびスタンドスティル義務を伴う15%の株式を相互に保有するという。

今回合意した取り組みは、「インド、ラテンアメリカおよび欧州において、事業面で高い価値を創造するプロジェクト」、「各社の新しい取り組みにパートナーが参加可能となる、戦略的な機敏性の向上」、「リバランスされたルノーグループ・日産間の株式相互保有と強化されたアライアンスのガバナンス」の3つだ。

2つ目の領域において、3社は、電動化や低排出技術に関する既存の戦略に沿って、事業に付加価値が期待できるパートナー各社のプロジェクトに投資・協業することで合意した。

その一環として、日産は、ルノーグループが欧州に設立するEV&ソフトウエア新会社アンペアの戦略的投資家になることを決定した。アンペアの戦略的な投資家として同社へ取締役を派遣するために、最大6億ユーロを出資するという。

▼関係者のコメント

■アライアンス会長のジャン・ドミニク・スナール氏のコメント

本日署名した契約により、アライアンスは次の章に進むことになります。これらにより、我々の長年にわたるパートナーシップが強化され、アライアンス各社の価値創造の最大化に貢献します。また、これは新たなバランスのとれた、公正で効果的なガバナンスの基礎の構築につながります。

■日産自動車 社長兼CEOの内田 誠氏のコメント

この最終合意の締結により、我々は相互に有益な革新的分野において、ルノーおよび三菱自動車との協業が次のフェーズに進むことになります。これにより、「Nissan Ambition 2030」の取り組みや電動化戦略において新たな価値が創出されます。アンペアへの出資は、現在日産が欧州で進めている電動化の取り組みを補完、強化するものであり、コスト効率化、規制対応、EVやパワートレインのラインアップ拡大など多くのシナジー効果を生み出します。

■ルノーグループCEOのルカ デメオ氏のコメント

これらの契約は、グローバルに主要市場での事業を再活性させる堅固な基盤を提供し、ルノー、日産、三菱自動車をはじめとしたステークホルダーにとって何億もの価値を生み出す可能性を秘めております。また、急速に変革する環境の中、今回の合意により当社は戦略的アジリティーを得ることになります。我々は正しいマインドセットを共有しており、EVとソフトウエアに特化したアンペアに日産が強力なパートナーとして参加されることを歓迎します。これは欧州市場でフロントランナーを目指しているこのプロジェクトの魅力が認められた証であり、ルノーとアライアンスのパートナー企業が欧州のEVおよびソフトウエア競争のスターティンググリッドの先頭に立てることを意味します。

(出典:日産 Webサイトより)

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