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生産者が実技指導 栃木県のJAおやまは本年度から、県や2市1町などでつくる新規就農塾推進協議会の1期生を受け入れ、担い手の育成を支援している。イチゴのパック詰めなどをする体験会を開き、就農前のイメージと実際の農作業とのギャップが生じないようにした。実技は研修生と年齢の近い農家をペアにして学ぶなど、就農後も助言を得られる体制を整える。
協議会は2022年4月、地域農業の発展や後継者の育成を目的に設立。会員は県下都賀農業振興事務所や小山市、下野市、野木町と各農業委員会、同JAで、就農者の募集や研修会の開催、1年間の研修を行い支援する。
JA営農経済部の岸均部長は「就農後直面する課題に農地、労働力、所得や収益の確保、技術の習得、向上などがある。就農相談から定着まで各ステージでの支援体制を強化していきたい」と話す。
JA管内では、いちご部会に所属する96人がイチゴ「とちおとめ」19ヘクタール、「とちあいか」7ヘクタールを栽培する。生産量日本一を誇る県産イチゴは、市場からの引き合いが強い。
そこで22年度は、23年度からのイチゴ就農研修生の受け入れを目指した。体験会では苗の仮植えやハウスの見学、パック詰めを実施。研修制度や就農準備・経営開始の資金、農地の賃貸も説明した。
体験会には19人が参加。協議会が意欲や資金面などを審査し、23年度のイチゴ就農研修生に1人を選んだ。
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就農を決めるきっかけになった橋本さん(右)のイチゴを目指して指導を受ける板橋さん(栃木県小山市で) 就農研修生で小山市の板橋恵実さん(47)は「おいしいイチゴ作りを追求したい」と奮闘する。他県でバス会社に勤め、21年に地元へ戻って観光バス関連会社を設立。その後、イチゴ生産者として就農を決めた。観光農園の運営も視野に入れる。
実技の研修は、同部会の橋本雅佳さん(47)の下で随時受ける。橋本さんは「新規就農者は未来の農業に欠かせない存在。できる限りサポートしたい」と話す。
他にも板橋さんは週2、3回、宇都宮市の県農業大学校の就農準備校「とちぎ農業未来塾」に通い、知識や実技の習得に励む。
岸部長は「必要な資金の確保や技術などをワンストップで支援できるようにし、持続可能な地域農業の発展につながればうれしい」と期待を込める。
体験会参加者の要望を踏まえ、本年度は新たに葉かき体験会も開く予定だ。将来は県外からも研修生を受け入れたい考えだ。