薄田泣菫生家公開20周年で冊子 倉敷市、ファン拡大へ作品紹介

薄田泣菫の詩を紹介する冊子

 倉敷市は、地元出身の詩人で随筆家の薄田泣菫(1877~1945年)の作品を紹介する冊子「泣菫さんの子守歌」を作った。泣菫の生家(同市連島町連島)公開20周年に合わせて企画。地元の子どもたちに親しまれている作品を収録し、ファン拡大につなげる。

 冊子はA5判、カラー8ページで「十五夜お月様」「星と花」「猿の腰かけ」など6作品を掲載。毎年、地元の小中学生を招いて生家で行う泣菫作品の朗読会で人気のある詩に絞った。代表作「ああ大和にしあらましかば」も、現代語訳を付けて載せている。

 水島信用金庫(同市水島西常盤町)が地方創生に関する市との包括協定に基づいて費用を負担し、5千部を製作。市内の全小中学校に配布したほか、希望者に提供する。

 生家は市が所有者から購入し、2003年に一般公開。地元住民らでつくる薄田泣菫顕彰会が管理を担い、名だたる文豪とのやり取りを示す手紙や自筆原稿の複製などを展示し、泣菫の足跡を紹介している。

 市文化振興課は「多くの優れた作品を残しているが、まだまだ知られていない。冊子をきっかけに、作品に関心を持つ人が増えてほしい」としている。

 問い合わせは同課(086―426―3075)。

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