公園彩る鮮やか壁画 茨城・日立の豊浦中美術部 虹や動物、デザイン一新

的当て壁に絵を描いた日立市立豊浦中の美術部員=同市川尻町

茨城県日立市川尻町の市立豊浦中(大貫弘敏校長)美術部員たちが同校近くの「はくさんまえ児童公園」を彩る色鮮やかな壁画を描いた。色落ちしていたボール当て用の的当て壁のデザインを一新し、表面には虹と動物、裏面にはフォトスポットとして活用できる翼と王冠が描かれ、近隣住民らに親しまれている。部員たちは「ボールを当てたり、絵を見たりして楽しんでほしい」としている。

同公園の維持管理に取り組む市民団体「はくさんまえ公園運営委員会」の依頼を受けて制作。的当ての壁は縦約3メートル、横約5メートル。2020年に県立日立北高美術部が絵を制作したが、経年劣化で色が落ちていた。

今回、壁画を描いたのは同中美術部の2、3年生21人。春休みごろからデザイン案を考え、6月の部活動の時間を活用し、2日間かけて制作した。画材には水性ペンキを使った。

表面には小さい子どもが親しめるパンダやウサギといった動物と、7色の虹の下でチョウや季節の植物が舞う様子を描き込んだ。裏面は、絵の中央に立つことで、翼を背に王冠をかぶっているように見える工夫をした。

部員たちが大型の絵を共同制作するのは初めて。1日目の作業後に雨が降り、色落ちするハプニングもあったが、2日目に補修をしながら壁画を仕上げた。完成直後には公園を訪れた小学生が「かわいい」などと喜ぶ姿も見られたという。

部長で同中3年、丸藤あんずさん(14)は「大きな作品で不安もあったが、部員でコミュニケーションを取り、分担して完成できた。公園に来る人に、新しい絵に気付いてもらえるとうれしい」と話した。

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