接触でリタイアの岩佐歩夢「ミスで終わった。自分に対する怒りしかありません」/FIA F2第11戦レース2

 ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されたFIA F2第11戦のフィーチャーレース(決勝レース2)、レッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)は16番グリッドからスタートし、ケメルストレートまでに13番手までポジションを上げた。

 しかし、オープニングラップのターン6でデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)と接触し、サスペンションにダメージを負い今季2度目のリタイアとなった。さらには接触原因となったとして、次戦スプリントレースでの5グリッド降格ペナルティが下ることとなった。

 岩佐は「レースは1周目の自分のミスで終わってしまいました」と、接触時の状況を説明した。

「ターン5のブレーキングでミスをして、なんとかコースにとどまることはできましたが、ターン6ではタイヤの半分以上をウエットパッチに乗せてしまい、体勢を崩した状態で(アウト側のハウガーと)当たってしまいました」

 岩佐は硬めのプライム(ミディアム)タイヤを装着し、スタートで16番手から13番手まで浮上。ケメルストレートエンドのターン5でブレーキングミスとなるも、ギリギリコース上に留まった岩佐だが、ターン6の立ち上がりで再加速した際にバランスを崩した。不運にもそのとき、ターン6アウト側からハウガーが岩佐に仕掛けていたところだった。

 この接触で、岩佐はサスペンションを破損し、自走でピットに戻るも修復は叶わず、ここでリタイアとなった。

 また、既報のとおりハウガーは接触の影響でエンジンストップ。その後、ハウガーは一旦はコースに復帰するも、オフィシャルによるエスケープゾーンへの撤収作業中のエンジン再始動により、スポーティングレギュレーション第22条4違反と判定され、ハウガーは失格となっている。

「自分のミスがすべてで、大きなレースを落とした自分に対する怒りしかありません」と岩佐。

 レース後、スチュワードは接触の原因は岩佐にあったとし、岩佐に対し次回出場レース(第12戦ザントフォールトのスプリントレース)で5グリッド降格、さらにペナルティポイント2点の加算という裁定を下した。

「次戦スプリントレースでの降格が決まりましたが、フィーチャーレースでなかったのがせめてもの救いです。次戦に向けて切り替え、しっかり準備して臨みたいと思います」と岩佐はコメントした。

 岩佐はフィーチャーレスでノーポイントとなったが、ランキング3位を維持。しかし、今回のレースで2位に入り、ランキングトップに浮上したテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)とは34点差、レコノサンスラップでクラッシュしたフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)とは22点差、そして今回優勝しランキング4位に浮上したジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)とは4点差という状況で、シーズン終盤戦を迎える状況となった。

 2023年のFIA F2は残り3大会6レースとなる。次戦となる第12戦はサマーブレイク明けの8月25日〜27日にオランダのザントフォールト・サーキットで開催される。

2023年FIA F2第11戦スパ・フランコルシャン 接触後、ピットに戻り、チームスタッフと言葉をかわす岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)

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