元職人、起訴内容否認 弁護側は無罪主張

 川崎市の多摩川河川敷で市立中学1年の男子生徒が殺害された事件で、傷害致死罪に問われた元職人の少年(19)の裁判員裁判の初公判が19日、横浜地裁で始まった。被告の少年は「殺意はなく、傷害しようと思っていなかった。首を切りつけたり、頭を打ち付けたり、ほかの人と何かしたことはありません」と起訴内容を否認した。

 冒頭陳述で、検察側は「被告少年もカッターで切り付け、顔面を地面に打ち付けており、共謀が成立する」と指摘。弁護側は「実行行為は行っておらず、少年2人とは共謀していない」と無罪を主張した。

 起訴状によると、元職人の少年は昨年2月20日未明、多摩川河川敷で別の少年2人=有罪確定=と共謀し、カッターナイフで男子生徒=当時(13)=を多数回切り付けるなどして死亡させた、とされる。

 この日は一般用に用意された49席の傍聴券を求め、158人が並んだ。公判は20、23、24の各日が指定されており、判決日は6月3日の予定。

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