新型コロナ検疫文書を誤廃棄 入国者データ1100万件

 厚生労働省は31日、新型コロナウイルスの検疫措置で入国者から提出された質問票などのデータ約1100万件を誤って廃棄していたと発表した。質問票は健康状態や滞在歴を聞くもので、行政文書に該当するため1年以上保管する必要があったが、入国後約1カ月を経過すると自動削除される仕組みになっていた。

 厚労省によると、削除されたのは、2022年2月から23年4月に、ウェブで検疫手続きができるシステム「ファストトラック」を使って入国者が提出したデータ。削除で個人に不利益が生じることはないという。

 厚労省は「データが行政文書に該当するという認識が不十分だった。職員に周知徹底する」としている。

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