元力士琴貫鉄「人権無視された」 コロナ禍で休場認められず引退

記者会見する元力士の柳原大将さん=31日午後、東京・丸の内の日本外国特派員協会

 新型コロナ感染を懸念して2021年大相撲初場所の休場を申し出たが認められず、現役を引退した元序二段力士、琴貫鉄の柳原大将さん(25)が31日、日本外国特派員協会で会見し「自分には死のリスクを冒して出場するか、引退の選択しかなく絶望した。伝統文化という名の下、人権は無視され、それが黙認されてきた」と語った。

 柳原さんは休場を認めなかった日本相撲協会や当時の師匠の佐渡ケ嶽親方に損害賠償を求め、千葉地裁松戸支部に提訴して係争中。会見では、所属していた佐渡ケ嶽部屋での生活などにも触れ「若手は奴隷扱い。それをつくり出す相撲協会の現状、おかしな点を世間に知ってもらいたい」と訴えかけた。

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