あす甲子園へ出発 広陵高校(広島) 5年ぶり出場決定(24回目) 投・打・守のキーマンに聞く

7月29日(土) 広陵 3-2 広島商 ぶんちゃんしまなみ球場

新チーム発足から広島県内で負けなしの広陵と5試合中、4試合をコールドゲームで勝ち上がってきた広島商業との一戦。試合は、初回から広陵が動かします。1アウト・満塁のチャンスでキャッチャー・只石貫太(2年) 。センターへの当たりを犠牲フライとし、先制点を挙げます。

すると直後の2回、広島商業がダブルプレーの間にランナーを還し、早くも追いつきます。

3回、広陵が満塁の大チャンスを作ると、打席には再び、只石。勝負強さを発揮し、タイムリー。2点のリードを奪います。

3対2で迎えた8回、広陵の2年生エース・髙尾響 が、ギアを上げ、2つの三振を奪うと、勢いそのまま、9回もマウンドに…。2アウト・2ストライクから腕がちぎれてもいいと意気込んだ1球―。この日、10個目の三振で締めくくり、ゲームセット。広陵高校が、5年ぶりの甲子園への切符を手にしました。

広陵高校 3年 小林隼翔 主将
「3年生としても最後の大会ですし、楽しまないと損なので、しっかり、どれだけ楽しむかっていうのが自分たちの結果にもつながってくると思うので、楽しむっていう気持ちを忘れずに。夏は、広陵はまだ日本一を取っていないので、自分たちの代で、この夏で中井先生(監督)を日本一の男にしたいなというふうな思いがあります」

青山高治 キャスター
3対2と、1点差の本当に見応えのあるいいゲームでした。そんな5年ぶりに夏の甲子園出場を決めた広陵高校野球部と中継がつながっています。

広陵高校 野球部員たち
「広陵高校の友情をちょっと見せるか」「おっす」「伝わってきた。やべえ」「シュイーン、シュイーン、ストライクショット…、イエ―」

小宅世人 アナウンサー
“ナイス友情コンボ” が出ました。5年ぶりに夏の甲子園出場を決めました広陵高校野球部のグラウンドにおじゃましています。みなさん、よろしくお願いします。よろしくお願いします。

きょうは、この夏のキーマンになるであろうチームの3人にお話をうかがっていきたいと思います。エースの2年生・髙尾響 投手、よろしくお願いします。

広陵高校 2年 髙尾響 投手
― 県大会を振り返って、いかがですか?
「失点、四死球が少なかったのは一番よかったかなと思います」

― ちなみに決勝戦ではしっかりとロースコアゲーム。完投で勝利に導きましたが、決勝の広島商業戦、どう振り返りますか?
「点数を追い越されなかったのが一番よかったなと思うのと、しっかり野手陣が守ってくれたので、その期待にしっかり応えられたのがよかったかなと思います」

― エースの高尾投手といえば、2年生キャッチャーの只石選手とバッテリーを組んでいると思うんですが、只石選手からお話を聞いたところ、やっぱり高尾投手の強みは、切れのあるまっすぐという話でした。只石選手から聞いたんですけど、バッターがまっすぐを待っていても空振りしてしまうという切れらしいんですけど、その辺はやっぱり自信を持って投げてるんですか?
「そうですね。もう、まっすぐのときは『打ってみろ』という気持ちで投げています」

― 2年生になってから気持ちの変化っていうのは?
「経験しているぶん、自信もありますし、バッターに1本も打たれる気持ちもなく、しっかり腕を振って投げるように意識しています」

― なるほど。けっこう緊張されていますか、髙尾投手?
「ちょっと…」

― タレコミ情報がありまして、同級生の選手から実はちょっと甘えん坊なところもあって、全然、自分のじゃないベッドに寝転んだりしてることがあるっていう話をうかがったんですけど、それは本当なんですか?
「本当です」

― なんで自分のベッドで寝ないんですか?
「まあ、その、ほかの人の部屋に行って、ちょっと眠たかったんで、その人のベッドで寝ました」

― ちなみに髙尾選手が自分のベッドに寝ていたっていう人います? あっ、いらっしゃいますね、何人か。そういった一面もあるということで、ありがとうございます。

広陵高校 3年 真鍋慧 選手
― お隣りは、ボンズこと、広陵高校の主砲、3年生の 真鍋慧 選手です。今の髙尾投手のピッチャーとしてのすごいところってどういうところだと思いますか?
「やっぱり、まっすぐの切れもすごいですし、その負けん気の強さっていうのが、
強いです」

― ありがとうございます。ここから真鍋選手のことをうかがっていきたいんですが、県大会を終えて、いろいろな課題も見えたと思います。甲子園に向けて、どういったことをやっていきたいですか?
「県大会では全然、打てなかったので、甲子園ではしっかり打てるようにがんばりたいです」

― 今、自分の中で取り組んでやっていることは?
「特に今までと変わらないんですけど、しっかり振って、振ってきています」

― わたくしもアナウンサー1年目のときに広陵高校に中継に来て、この真鍋選手と隣りに並んだことがありまして、あらためて、こうやって3年生になって隣りに並ぶと、めちゃくちゃ大きくなってる気がするんですよね。1年生のころと比べて体重ってどれぐらい変わったんですか?
「8キロぐらい増えました。身長が190センチです」

― ちなみにきょうのお昼ご飯は何を食べたんですか?
「うどんと米」

― うどんと米、“炭水化物コンボ” なんですね。“友情コンボ” の次は、炭水化物が出ましたけど。お米って、どれぐらい食べるんですか?
「夜ご飯だったら1キロぐらい食べます」

― 甲子園ではどんなバッティングをしたいですか?
「チャンスで回ってきたら、必ずランナーを還して得点につなげていきたいなと思います」

広陵高校 3年 松下水音 選手

― 3人目、行きましょう。1年生のころからベンチに入ってチームを引っ張っている3年生の 松下水音 選手です。並んでみると、松下選手と真鍋選手、けっこうな身長差ですけど、どれぐらいありますか?
「23センチ」

― すごい身長差。松下選手は、1年生のころからベンチに入ってプレーしてきたと思うんですが、今までどういった心境でプレーしてきたんですか?
「自分が1年生でベンチに入らせていただいたぶん、入れない先輩方がたくさんいる中で入らせていただいていたので、その入れない先輩方の思いも背負って、チームに貢献することを意識してやってきました」

― そんな中で最高学年3年生になって意識の変化も出てきたと思います。今はどんな気持ちでプレーしていますか?
「最高学年になって責任も重くなる中で、経験させてきてもらったことを生かして、プレーの面でも、プレー以外の面でも、自分が中心となってチームを引っ張っていけるように意識してやっています」

― なるほど。松下選手といえば、お兄さんが2学年上の広陵高校OBということなんですが、決勝戦はお兄さんは来られていたんですか?
「来てくれていました」

― 甲子園が決まった後、何か2人で話は交わされましたか?
「決まった夜に電話をして、お兄ちゃんから「おめでとう」というふうに言っていただきました。「決まった瞬間に涙が出た」というふうに言ってもらいました」

― 兄弟愛ですね。そんなお兄さんの気持ちも背負って甲子園ではどんなプレーでチームを盛り上げていきたいですか?
「県大会では、チームに貢献できなかったので、甲子園では自分の持ち味をしっかり発揮して、少しでもチームに貢献できるようにがんばりたいです」

小宅世人 アナウンサー
この3人にそれぞれ夏の甲子園で全国制覇するためには「この選手のここが必要。こんなプレーが必要」という話をあらかじめ書いていただいています。

広陵高校 3年 真鍋慧 選手
― まずは真鍋選手から髙尾投手について。

「『髙尾のピンチでの全力投球!!』。やっぱり、髙尾は、ピンチでギアがすごく上がるので、そういうところを見てもらいたいです」

広陵高校 2年 髙尾響 投手
― ピンチでのギアという話がありましたが、髙尾投手、いかがですか?
「ピンチでは、もう絶対に点をやらないぞという気持ちで投げているので、そういった部分でギアを上げています」

― 続いて、髙尾投手からと松下選手の「ここが必要だ」をどうぞ。
「“松下さんのいやらしいバッティング” です。粘って、粘って外野の間に落としたり、内野の間を抜いたりするバッティングがやっぱりいやらしいなと思います」

広陵高校 3年 松下水音 選手
― なるほど。後輩から頼りにされているようですが、松下選手、いかがですか?
「自分の持ち味です」

― 松下選手から真鍋選手の「ここが必要だ」、どうぞ。
「『真鍋が “ここぞの場面で1本を打ってほしい!” 』」

― 真鍋選手のホームラン、期待ですよね。
「はい。甲子園で打ってほしいです」

広陵高校 3年 真鍋慧 選手
― こんな期待がありますが、どうですか、真鍋選手?
「チャンスで1本打てるようにがんばりたいです」

小宅世人 アナウンサー
甲子園、全国制覇に向けてそれぞれの必要なポイントをうかがいました。みなさん、がんばってください。

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