保険不正で金融庁が報告命令 損保7社とビッグモーター

金融庁、中央合同庁舎7号館西館

 中古車販売ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題で金融庁は31日、保険業法に基づく報告徴求命令を出した。損害保険ジャパンなど損保7社と、保険代理店業を手がけるビッグモーターが対象。不正の温床とされるなれ合いの構図にメスを入れる。保険契約者の保護に不備がなかったかも調べる。

 ビッグモーターでは事故車両を故意に傷つけて修理代を水増しし、保険金を過大請求する不正行為が横行していた。37人の出向者を出すなど最も親密な関係だった損保ジャパンを中心に、不正を見抜けなかった損保各社の責任を問う声も高まっている。保険金の過大支払いで、保険料算出など自動車保険制度の公平性が損なわれたとの指摘もある。

 ビッグモーターは自動車保険の契約をでっち上げていた疑いも判明した。展示車や廃車予定の車を対象に従業員が保険料を自己負担し、契約を複数捏造した可能性がある。

 損保ジャパンと三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険の大手3社は、保険契約者の車両の修理をビッグモーターの工場に積極的にあっせんした。

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