茨城県筑西市が広報誌で紹介した皇室や宮内庁への献上品とされる複数の農産物が、実際には献上されていなかったことが31日、市への取材で分かった。一部農家から「献上されていない可能性がある」と相談があり、事実関係を確認したところ発覚した。市は広報誌の記事は誤りだったとして、ウェブサイトの当該部分を非公開とした。
市によると、2020年9月と昨年4月の2回、計4人の農家が生産した農産物などを「宮内庁献上品に指定された」などと広報誌で紹介した。農家からは「市長を表敬訪問し、宮内庁への献上を報告したい」などと連絡を受けたという。
宮内庁は今年7月中旬、同庁や職員が皇室への物品の献上を一般人に依頼しないと注意喚起。その後、一部農家から市に対し「実際には献上されていない可能性がある」と連絡があった。献上品は都道府県を通して届けられることから、市が県に確認したところ「筑西市から献上されているものはない」と説明があったという。
市の担当者は事実関係を確認していなかったとして「できるだけ裏付けをしていく」と話した。