ベネチア、存続「危機遺産」勧告 ユネスコ、9月採決

イタリア・ベネチアの運河を巡るゴンドラ(ロイター=共同)

 【パリ共同】国連教育科学文化機関(ユネスコ、本部パリ)は7月31日、「水の都」として名高い世界遺産のイタリア・ベネチアについて、存続が危ぶまれる「危機遺産」への指定を勧告した。9月にサウジアラビア・リヤドで開かれるユネスコ世界遺産委員会の会議で採決される。

 ユネスコは31日に公表した文書で、観光客が押し寄せて住民の生活が害される「オーバーツーリズム」や気候変動などの影響により、ベネチアの普遍的価値が「不可逆的な変化」を受ける恐れがあるとの懸念を示し、イタリア側の対応も不十分だとした。

 ユネスコは2021年6月にも危機遺産指定を勧告したが、世界遺産委は翌月に指定を見送った。

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