<金口木舌>名護マサーの心意気

 宮古島のアララガマ、伊江島のイーハッチャー…。その地域の人柄や人間性を表す言葉が県内各地にある。本島北部で最も聞かれるのは「名護マサー」だろう

▼名護の人々の勝ち気な気質を表し、「名護勝り」が由来とも言われる。「ナゴマサリ」や「ナゴマサー」と本紙データベースで引くと、ランや稲の品種もあり、幅広く市民権を得ている

▼名護を誇りとする気概は人々の精神に脈々と受け継がれている。市城区の住民らを中心に結成する「なぐまさぁーの会」もその一つだろう。名護夏まつりに合わせ、カヌー体験会を毎年開き、今年で10回目を迎えた

▼城区子ども会の夏休みカヌー体験から活動が広がった。行政やネイチャーガイド、大学教授など職種もさまざまなメンバーが集い、お金をためてカヌーまで買いそろえたというから驚く

▼29、30日は4年ぶりに体験会が開催され、多くの人が名護の海を楽しんだ。メンバーらは「名護の宝を多くの人に見てほしい」と意気込む。その姿に「名護マサー」の心意気を垣間見る気がした。

© 株式会社琉球新報社