新課程入試と修学支援で私立大学志向高まる 2023年進学ブランド力調査

株式会社リクルートが運営する『リクルート進学総研』は、高校生の大学選びの動向を明らかにするため、2008年より進学ブランド力調査を実施している。2023年の調査によると、「志願したい大学」第1位は、高校所在地が関東エリアの高校生では3年連続「早稲田大学」、東海エリアでは7年連続「名城大学」、関西エリアでは16年連続「関西大学」だった。調査対象:3エリア(関東・東海・関西)の高校に通っている2024年3月卒業予定者(調査時高校3年生)。有効回答数:15,302名。

関東・東海・関西の3エリアとも「志願したい大学」のトップは変化がなかったが、関西では2022年4月に誕生した大阪公立大学が1ランクアップし近畿大学と並んで同率2位となった。公立の大規模総合大学として存在感が増している。従来より関東は私立志向が強かったが、国公立・私立が拮抗していた関西では6年連続で私立志向が上昇、従来より国公立志向が強かった東海においても私立志向が4割に達した。関西、東海エリアでは、私立志向が過去最高となった。

このように私立志向が高まる背景には、「年内入試の拡大&2025年新課程入試」「就学支援制度の拡充」があると考えられる。2025年には新課程入試が実施され、現在の教科・科目とは大きく異なることから、高校3年生は浪人を避け、現役合格を目指す層が増えると想定される。私立は年内入試での入学者が6割に達し、年内入試の選択肢も多いことから、早期にチャレンジの機会が多い私立を志向する層が増えているのではないか。また、2020年より導入された就学支援制度は、2024年より授業料減免等を中間層まで拡大する制度改正が見込まれており、国公立と私立との授業料の差が縮小することも背景にあると考えられる。

各エリアの「志願したい大学」のトップ3は以下の通り。

【関東エリア】第1位早稲田大学、第2位明治大学、第3位青山学院大学

【東海エリア】第1位名城大学、第2位名古屋大学、第3位南山大学

【関西エリア】第1位関西大学、※同率第2位大阪公立大学、近畿大学

関東エリア(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県)

東海エリア(静岡県、愛知県、岐阜県、三重県の4県)

関西エリア(大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、兵庫県、滋賀県の2府4県)

参考:【株式会社リクルート】高校生に聞いた 大学ブランドランキング『進学ブランド力調査2023』(PDF)

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