ハンドボール男子 瓊浦、大健闘の準V 北海道インターハイ

【ハンドボール男子決勝、瓊浦―香川中央】前半19分、瓊浦のピボット中尾(左端)らが激しいディフェンスを仕掛ける=函館市、函館アリーナ

 全国高校総合体育大会(インターハイ=翔び立て若き翼 北海道総体2023)第10日は7月31日、各地で6競技が行われ、長崎県勢はハンドボール男子の瓊浦が決勝で香川中央に30-43で敗れたが、2010年沖縄インターハイ以来となる銀メダルを獲得した。
 サッカー男子の国見は3回戦で金光大阪を2-0で下して、優勝した2004年中国インターハイ以来、19年ぶりに8強入りした。ローイング女子ダブルスカルの大村(深浦、田中)は4位入賞した。
 第11日は1日、各地で4競技を実施する。

◎ハンドボール男子・瓊浦 全力で走り抜けた6日間

 試合終了から20分が過ぎても、瓊浦の選手たちはベンチから立ち上がれなかった。声を発する者もいない。優勝校の歓喜の雄たけびが無情に響いた。13年ぶりの銀メダルをかけた胸に、22年ぶり2度目の栄冠を逃した悔しさが込み上げてきた。
 ハンドボール男子決勝。瓊浦は香川中央に30-43で敗れた。末岡監督が「ここに来て守備が甘くなった」と振り返ったように、中央を固めても遠めから決められ、開始5分で早くも5点を追う展開になった。後半はフィールドプレーヤーを1人増やす7人攻撃を駆使しながら、早い段階で2点差までは詰めたが、GKがいないリスクを突かれて速攻を浴びた。絶対に止めたい場面では相手エースが躍動した。
 ショックな敗戦となったが、それを踏まえても、瓊浦にとっては大健闘の準Vだ。3月の全国選抜大会の初戦敗退からわずか4カ月。守備に課題を見いだし、1対1の厳しさと円滑なマークの受け渡しを追求して、全国で勝てるチームをつくり上げてきた。
 ノーシードから快進撃を続け、準々決勝で選抜王者の北陸(福井)に快勝。準決勝は延長にもつれる死闘を制した。全力で走り抜けた6日間。最後は2回戦からの登場で1試合少ない香川中央に疲労度の差で屈したが、頂点までの距離は点差ほど大きくなかった。
 雪辱の舞台は秋の鹿児島国体。少年男子は瓊浦単独チームで挑戦する。見せ場を持っていかれたエース川田は「精神面をタフにして、絶対に世代ナンバーワンと呼ばれるようになる」と誓った。悔しさは十分に味わった。負けるのはもう、この夏で最後にする。

© 株式会社長崎新聞社