【MLB】デッドラインまであと1日 バーランダーはどこへ行く?

写真:トレードが噂されるメッツ・バーランダー@Getty Images

トレードデッドラインまで1日を切り、トレード市場が活発化してきた。市場に残された大物の1人が、メッツのジャスティン・バーランダーだ。

先日、メッツはもう1人の大物先発投手のマックス・シャーザーをレンジャーズに放出。シャーザーも、バーランダーと同様に巨額の年俸と来年のオプションを残していたが、メッツが金銭の大部分を負担することによってトレードが成立した。シャーザーより1年長く契約を残すバーランダーももしトレードとなるならば、メッツが金銭を負担する形でトレードされることが確実視されている。

バーランダー獲得レースに加わっていると見られるのは、ドジャース、アストロズ、ブレーブス、オリオールズら。

中でもドジャースとアストロズは、昨年オフにバーランダーがFAとなった際も獲得に興味を示していたとされる2チームだ。

どちらのチームも先発の頭数は足りており、市場に残っているマイケル・ロレンゼン(タイガース)のようなスターター以上に、バーランダーという明確なアップデートを求めている形だ。

バーランダーは今年故障もあって例年ほどのパフォーマンスではない。K/9(9イニングあたりの奪三振)は7.73で、復活を遂げた2016年以来では最悪の数値と、支配力は全盛期ほどではなくなっているのが事実だ。しかし、7月に入ってからは防御率1.69とかつてのパフォーマンスを取り戻しつつある。

シャーザーの獲得には、ルイスアンヘル・アクーニャという『MLB Pipeline』のプロスペクトランキングTop100にランクインするレベルの有望株を要したが、バーランダーのトレードにも同等(バーランダーの方が長く契約を残すことを考えれば、あるいはそれ以上)の対価を求められるはずだ。

メッツはドジャースの有望株右腕(同ランキングでは70位)のエメット・シーアンを切望しているとの報道が出ている。
バーランダーの古巣アストロズも同ランキング68位のドリュー・ギルバート外野手、さらにまだランクインしてはいないものの、20歳ながら既にA+で打棒を振るうライアン・クリフォード外野手が対価の候補になってくるだろう。
直前になって獲得に興味を持っていると報じられたオリオールズも、強固なファーム組織を持ち、対価の用意に困ることはないだろう。

トレードの最終的な鍵を握るのは、バーランダーの意向かもしれない。

バーランダーは完全なトレード拒否権を持っており、事実上移籍先を選べる立場にある。

バーランダーは、メッツの来年の勝利への姿勢が薄れるようであればトレードに対してオープンになる趣旨のコメントを残しているが、金に糸目をつけないスティーブ・コーエンオーナーが率いるメッツが来年も売り手に回ることを良しとするとは思えない。バーランダーは8か月前にメッツと契約したばかりであり、トレード拒否権の破棄には慎重になるかもしれない。

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