「笑っていた方がよいことたくさんあるんだよ」難病と向き合う少女、笑顔の先に待っていたこととは…

HTB北海道テレビで8月8日、HTBノンフィクション「笑顔の先に 突然、体が動かなくなった葉月ちゃん」(午後1:45、北海道ローカル)が放送される。脊髄にできた腫瘍のため、ほぼ寝たきりとなった北海道・旭川に住む11歳の渡邊葉月さんと家族の日常を追い、医療的ケア児を取り巻く厳しい現実を伝えるドキュメンタリーだ。ナレーターは、HTBの森さやかアナウンサー。

葉月さんは3年前に突然倒れ、ほぼ寝たきりの状態に。人工呼吸器をつけたため、声も失ってしまった。原因は、脊髄にできた腫瘍。現代の医療では、葉月さんが元通りに回復することはない。HTBが葉月さんと出会ったのは、倒れてから2年が経った2022年春。体が動かせなくても、声をうまく出せなくても、何事にも前向きに挑戦する葉月さんは、笑顔が印象的な女の子だった。

そのパワーはどこから湧いてくるのか? 笑顔の裏にある葛藤は?

そうして密着取材が始まった。生活のあらゆることに介護が必要で、ようやく通えるようになった特別支援学校では、以前と違ってクラスメートもいない。言葉がうまく伝わらず、悔し涙が止まらないこともあった。葉月さんと家族の日常からは、医療的ケア児を取り巻く厳しい現実が見えてくる。

それでも、葉月さんは笑顔を見せる。同じように病気と闘っている人たちに元気を届けたいと、SNSでの発信も始めた。見た人が「笑えればいい」と願って。今では多くの人が彼女の姿や笑顔に勇気をもらっている。

「笑っていた方がよいことたくさんあるんだよ」

つらいことや悲しいことも、たくさん経験してきた葉月さんが、当たり前のように放った言葉だ。1年余りの密着取材で、葉月さんがいつも笑顔だったわけではない。時に、悩み、悔しがり、涙を見せることもあった。それでも、前を向き、一つ一つ挑戦し続けた結果、6年生になった葉月さんに大きな変化が起きる。3年ぶりに声を出すことができたのだ。

「11年間生きてきて、おしゃべり楽しいって初めて思った」

意思疎通ができることの楽しさをあらためて知った葉月さんは、来春の中学進学を控え、同級生が大勢いる地域の学校に入りたいと思い始めている。葉月さんと家族の挑戦の日々から、私たちが学ぶべきこととは──。

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